「共同親権」DVや虐待リスクどう排除?

藤森キャスター:
慎重派が懸念しているのは、「DV・虐待のリスクを見逃す恐れがある」という点です。家庭裁判所がDVや虐待があると判断すれば単独親権になりますが、リスクを見逃す恐れや、判断しきれないケースがあるのではないかといいます。

実は家庭裁判所では人員不足が問題となっています。現在、家庭裁判所では、親子の面会交流・養育費などをめぐる調停や審判の申立て件数が急増し、2022年は約4万4000件もあったそうです。このような状況で共同親権が導入されると負担がさらに増えることになります。

カフェ店主・元外資系コンサル 影山知明さん:
リスク懸念のある法案を拙速に進めている理由がわかりません。私の母が家裁の調査官をしていたのですが、家庭裁判所の仕事はとても大変です。

申立件数が急増しているなか、さらに共同親権が導入され、過去の離婚も申し立てができることになると、もう対応しきれるマンパワーがなくなってしまいます。そのような状況で、DVや虐待など、個々の繊細な事案を適切に判断できるのか、とても不安です。

小川キャスター:
共同親権によって利益を得られるパターンがある一方、DV、虐待に関しては命や人間の尊厳を著しく破壊する可能性があります。2024年4月1日に改正DV防止法が施行されたとはいえ、被害者を守り切れてはいません。共同親権の法案は、被害者をさらに不安にさせてしまうのではないでしょうか。