超党派の議連が作成した法案(たたき台)の内容は?

 精子提供をめぐっては法整備の必要性が長年指摘されてきた。超党派の議連が今年3月にまとめた特定生殖補助医療法案(たたき台)。「第三者の精子を用いた人工授精を法律上の夫婦に限り認める」としている。精子の斡旋は国の許可制とし、売買して利益を得た場合には罰則も設けるという。
15.jpg
 最大のハードルは子どもに“出自を知る権利”をどこまで認めるか。現時点では「子どもが情報開示を求めることができる」とする一方で「最終的な判断は提供者に委ねる」ともしている。
16.jpg
 玉虫色にも見えるこのたたき台をまとめた超党派議員連盟の会長・野田聖子氏(61)に話を聞いた。

 (超党派議員連盟・会長 野田聖子氏)
 「妥協という言い方がいいのか現実的という言い方がいいのか。提供してくれる人の立場、それを受ける人の立場、そこから子どもとして育つ立場のメリット・デメリットってそれぞれじゃないですか。どこかを優先するわけにはいかなくて。一番の調和をとるために取り組むのが立法府で、どこまでギリギリでできるか」

 出自を知る権利を全面的に認めることについて野田氏は明言を避けた。民法の特例法が定めた法案提出の期限は秋の臨時国会だ。法整備が進まず、正規ルートも機能しない中、危うい実態だけが独り歩きしている。