今回の地震は短周期が特徴? リアス式海岸であることも関係か

井上キャスター:
今回の地震が起きた地域にはリアス式海岸もあって、リアス式海岸だと、津波が起きるとより被害が増幅しやすいというデータもあります。
そういったリスクも抱えた地域ですが、現地調査というのは、具体的にどういったことをなさるのでしょうか?

愛媛大学 森伸一郎 特定教授:
今回は、主に2つにポイントを絞って現地調査しております。
1つは地震記録の取れた地震計の周りで、建物、あるいはその他の地盤等がどのような被害を受けたか。
それからもう1点は、地震が起きると、揺れやすくて弱いところから被害が起きていきます。そういう意味で漁港、港湾、河川堤防、取り付け道路部、石垣など、いわゆる弱いところを中心に見ていっているということです。
井上キャスター:
それでわかったのは、どういったことでしょうか?
愛媛大学 森伸一郎 特定教授:
震度5強や6弱を記録した地震計のところに、今はまだ4点しか行けていないんですけれども、ほとんどその周りには地震被害がありません。
大きさでいえば5強、6弱、それから500ガル前後の大きな加速度は生じていたんですけれども、周期が0.2~0.3秒と非常に速い、カタカタカタカタというような揺れが2秒間続いたということで、瓦等への被害はありうるけれども、それ以上の被害は少なかったと理解できました。
井上キャスター:
周期の短い揺れというのが、今回の地震の1つの特徴と捉えても差し支えないですか?
愛媛大学 森伸一郎 特定教授:
そうだと思います。マグニチュード6.6ということでもともと長い周期は出にくく、比較的短周期のものが出るような地震なので、そういうことです。
もう1つは、先ほどおっしゃっていたリアス式海岸ということです。特に愛媛県の南の南予というところは宇和島、それから愛南町と、リアス式海岸の発達しているところですから、岩盤が割と海まで近づいてくることが多い。つまり平野部で、柔らかい、よく揺れやすいところが比較的少ないわけです。そういうところに、おそらくは集中して被害が起きているだろうと。
漁港なんかにいたっては宇和島、それから愛南町で、わずか1センチや2センチの岸壁の開きや、あるいは沈下、段差といったものが生じていました。したがって、震度5強以上の揺れは確かにあったのだと。
しかし、それがあわや20センチ、30センチと増えることのないのは、本当に2秒間ぐらいの強い揺れで終わったからだろうと理解できました。