「政治生命を失う可能性」と「党内政局への影響」

今回の処分は、議員の政治生命や、自民党総裁選にも大きな影響を与えることになる。
例えば、離党勧告を受けた塩谷元文科大臣は、2021年の衆院選で立憲民主党の源馬謙太郎氏に敗れ比例復活している。今回、離党勧告を受けたことで自民党員ではいられなくなり、小選挙区からの立候補しか出来ず比例復活をすることが出来ないため、前回と同じ結果となれば政治生命を失うことにもなりかねない。
一方、同じく離党勧告を受けた世耕前参院幹事長は、2019年の参院選では選挙区全国トップの得票率で当選するなど、選挙には強いため、かねてから摸索していた衆院への鞍替え出馬が注目されている。いずれにしても、次に立候補する国政選挙で無所属で勝利した後、自民党に復党するのではないかと見る党関係者もいる。
また、世耕氏に関しては、離党することで影響が大きくなると見られるのが、今年9月に予定される自民党総裁選だ。世耕氏は約40人いる参院安倍派「清風会」の会長を務め、岸田派や二階派に匹敵するほどの一大勢力を率いていた。この世耕氏が離党したことで総裁選への影響は避けられない。
「党員資格停止」「選挙の非公認」検討も・・・弱まった処分

当初、塩谷氏、世耕氏の処分は「③党員資格の停止」または「④選挙の非公認」を軸に検討されていた。だが、厳しい処分を求める世論や党内の声もあり、より重い「②離党勧告」へと処分は引き上げられた。
その一方、一時は「③党員資格の停止」または「④選挙の非公認」を軸に検討された萩生田前政調会長、松野前官房長官、武田元総務大臣は、党の重鎮議員らからも擁護する声が上がる中「⑥党の役職停止」へと処分が引き下げられる結果となった。