菅氏の動向が次の総裁選のカギを握る 本命は誰?
3月1日の夜、国会で2024年度予算案の成立をめぐって与野党で攻防が繰り広げられる中、菅氏の姿は都内の日本料理店にあった。
菅政権下で閣僚を務めた萩生田元経済産業大臣、加藤元官房長官、武田元総務大臣に加え、小泉元環境大臣と会食したのだ。
萩生田氏、加藤氏、武田氏は衆院の当選同期で、3氏の頭文字をとって「HKT」と呼ばれ、しばしば会合を重ねているが、小泉氏が参加するのは初めてのことだった。
菅氏のもとに自民党の有力者が一挙に集まった形で、あるベテラン議員は「加藤勝信が総裁選に出たら、全員(加藤氏に)乗れるメンバー」と分析している。
ただ、加藤氏は菅政権下で官房長官を務めたが、世論調査での次期総裁候補としての“数字が低い”との指摘も党内で出ている。
世論調査で常に上位 小石河連合は
裏金事件で大きなダメージを負った自民党。今年9月の総裁選では選挙を見据え、「勝てる人」を選ばなければならない。関係者によると、菅氏はこのような考えを持っているようだ。
次期総裁候補としては、小泉進次郎元環境大臣、石破茂元幹事長、河野太郎デジタル担当大臣のいわゆる「小石河連合」が世論調査でも高い支持を得ている。
中でも注目されるのが、菅氏に近い進次郎氏だ。
菅氏は昨年末、周囲に対し「次の総裁は思い切って代えないとダメかもしれない。そろそろ進次郎というカードを使うときが来たのかもしれない」と語っていた。
一方で、菅氏の周辺は「(進次郎氏を)大事にしている。まだ早いかもしれないから、潰さないようにタイミングを見ている」と話している。現時点では、“進次郎というカード”をいつ切るべきか、見定めている状況のようだ。
石破氏に関しては、かねてから「政策が合わない」と語り、2012年の総裁選では石破氏ではなく安倍元総理を擁立した過去があるが、自民党最大の危機の今、世論調査で常に上位に位置するの石破氏を担ぐ可能性も否定できない。
また、麻生副総裁の“失言”によって一気に知名度を上げた上川陽子外務大臣も待望論が出ているが、次の総理大臣を目指すにはキャリアが足りず、まだ早いとの声が党内にあり、菅氏もこうした意見に耳を傾けているようだ。