金沢での二次避難「正直迷いに迷っている」

(以下、実際の3人でのやりとり)

井上:
ちょうど私たちが金沢で取材をさせていただくタイミングで二次避難されていて、今回お時間とっていだいてありがとうございます。でも、お元気そうで少し安心しました。

市町さん:
年齢的にも体力的にも少し不安があったので、二次避難を申し込みました。今は、金沢に1週間いると珠洲の方に2~3日行って、またこっちへ帰ってくる、そういう生活をしています。

ホラン:
肉体的にも、また心労もたまりますし大変ですよね。

市町さん:
避難所にいる方、能登の人間は本当にみんな優しい人間が多いもんですから。みんなで助け合って、和気あいあいと避難所で生活してるというのが今の現状です。

ホラン:
井上さんとは特別な縁なんですね。

井上:
地震の直後に市町さんに取材させていただいて、そこから連絡を取らせてもらっていますけど、ずっと、「明るさ」を発信したいんだっておっしゃっているんです。

市町さん:
3月16日に北陸新幹線の金沢ー敦賀間が開業しました。今の私の願いは、金沢から能登半島を直結する「のと里山海道」、そして珠洲市内の上下水道、これらを早く開通してほしいということです。そうすれば、珠洲で獲れた魚や野菜をを金沢へ運ぶことができます。やはり道路が一番大事かと思ってます。

井上:
皆さん我慢強いからこれをほしいとかこうしてほしいとかあんまりおっしゃらない。まだ珠洲では断水が続いてるわけですね。

市町さん:
水がないというのはやっぱり衛生面、特にトイレの関係とかありますので。一日でも早く水の問題を解決してほしいと願っているところです。

ホラン:
今は二次避難されていますが、やっぱり地元にいられるのであれば地元にいたいっていう思いはもちろんあると思うんですよ。でもいろんなことを考えると、ちょっと離れるけど二次避難せざるを得ない方もいます。市町さんはどのようなお気持ちなんでしょうか。

市町さん:
自分自身は、2か月半経ちまして、正直言いますと迷いに迷っているところなんです。今は何とか珠洲で頑張ろうとしてる人たちと一緒に、行政の支援と指導をいただいて、安心して住める街づくりに貢献できればと思っていますし、二次避難をされてふるさとを離れた方が、また珠洲へ帰ってこようかっていう気持ちになる、そういう町になるようにまた力を入れようかなと思っています。