2023年5月、愛媛県新居浜市の保育園で、当時生後8か月の田村康至くんが、給食に出された生のリンゴをのどに詰まらせ、一時、心肺停止になった事故。
男の子の意識は今も戻っていません。

両親が2025年11月、保育士を目指す松山東雲短期大学の学生を前に、講演を行いました。伝えたかったこととは?【本記事は前編・後編のうち前編】

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(母 早希さん)

事故は2023年5月16日に起きました。
当時生後8ヶ月。

つかまり立ちを覚え、お尻をフリフリさせながらヨチヨチ歩く姿に、家族みんなで「かわいいね」と笑い合っていた、そんな時期のことです。



育休が明け、仕事復帰に向けてあわただしくも充実していた毎日。
「プロの保育士さんがいる場所なら安心だろう」
そう信じて保育園に送り出したわずか数時間後に、私の生活は一変しました。

慣らし保育5日目。

息子は離乳食のリンゴを喉に詰まらせて意識を失いました。
救急隊が到着したときには、すでに小さな心臓は止まっていたそうです。

保育園から電話がかかってきて、病院で「心臓が止まっていた」って聞かされるまでは、本当におおごとだとは思っていなくて…

心拍は再開したものの意識が戻ることはなく、寝たきりとなってしまいました。