「献金させてしまったことを後悔しています」富山大学の学生だったときに旧統一教会に入信した元信者の女性が、チューリップテレビに告白をしました。1人の女性が信者となって青春時代を教団にささげ、献金させる側になるまで。追跡第7弾です。
【第1弾】「お金お金お金、献金献金で家庭ぐちゃぐちゃ」
【第2弾】 210万円献金で“家庭円満の印鑑”…でも離婚
【第3弾】 政治家の“お墨付き”で「さらに献金しなくちゃ…」
【第4弾】「61億K必要」“K”=献金集めを指示する内部文書
【第5弾】「“自爆テロ”でもやりたい…」家族が信者に…
【第6弾】「お父さんごめん、貯金こんだけやわ…」涙で告白
【第8弾】 貯金額調べ 献金目標をリストに「献金させて後悔しています」
【第9弾】 自分の土地を売ってでも」献金迫る旧統一教会映像を分析
元信者の女性:
「やめたあとに、あー、あの人にたくさん献金させてしまったとか、いっぱい後悔はあります」
多くの人に献金させてしまったことを今も後悔している元信者の女性。
女性:
「経済活動をして1か月とかしたあとにみんなで打ち上げでどこかに遊びにいくとか。ほとんどお金は使わせてもらえないんですけど…」
旧統一教会との出会いは、富山大学に入学したときのことでした。およそ8000人の学生が通う富山大学。女性は1980年代、入学したあとサークルの勧誘を受けました。

女性:
「サークルの勧誘をうけて映画をみられます、映画をみませんかと。ついていったところがビデオセンターだった。『風の谷のナウシカ』を観て、楽しかった、終わりかと思ったら『ここ自己啓発のセミナーがあるんだ』と。ためになるなら見てみたいなと、聞いているうちにいいお話だなと思っていっちゃった」
1週間ほどセミナーに通ったところで、旧統一教会であることを明かされます。大学では「原理研究会」に所属。
原理研究会とは、旧統一教会の学生組織でCARP(カープ)とも呼ばれています。そこで女性は何をしていたのでしょうか。
女性:
「ここに門があって、ここ出たら、このへんなんですよね。借家を借りていたんだと思うんですけど、2階建ての家で。そこで共同生活をしていました」
女性は学生信者およそ20人と大学近くの借家で共同生活をしていました。信者としての活動は、夕方から始まったといいます。

女性:
「学校いきますよね、授業受けます、帰ってきます、夕方からこっち方面こっち方面と、のきなみアパートを訪ねて歩く。アンケートをとって歩くんです。ちょっと雑誌に掲載するのでとうそを言って、どんな芸能人が好きですかとか最近の趣味はとか、本当に普通のことです。」
毎日、授業が終わると2人1組になってアンケートと称して家々を訪ね歩きます。そして。
女性:
「反応がよかった人をビデオセンターに誘って、信者にしていくことをやっていた。平和に関心があるとか、自分のことで悩んでいて自分が変わりたいと思っているとか、本質的なことを考えているなとか、そういう人をピックアップしようとして狙っていた。ノルマというか目標がある。何人勧誘したかによって死んだあとの霊界が変わるみたいな」

ビデオセンターに誘って新たな信者を獲得していったのです。学生信者たちはどんな生活をしていたのでしょうか?
女性:
「仕送りは引き落とししたらすべてささげていましたし、お正月に1回、5000円だけもらえるんですけどそれで1年間過ごした」
1980年代。富山大学の学生だった時に勧誘され、旧統一教会に入信した女性。共同生活をする学生信者たちは極貧生活を送っていました。
女性:
「決まってたんです、卵はひとり生卵1個、納豆半パック。それが朝ごはん」「お昼ご飯は焼きうどんと焼きそばと…ご飯のおかずですよ」「正直まったく栄養が行き届いてない食生活だったので」
食事当番のときは少ない食費で工夫して食事をまかなっていたといいます。
女性:
「朝昼晩のお金として3000円くらいもらったのかな。それで20人くらいだったと思う(Q:20人分を3000円ですか、1日を?)はい」
女性:
「お肉どうしても食べたいときはこれくらいの肉をたたいてたたいて薄くしてころもいっぱいつけてとんかつにして」
恋愛は禁止。友達と遊ぶ時間もなかったといいます。
女性:
「テレビも全然見ないし歌ももちろん知らないし。そこからサタンが入るというふうに言うんですね。自分たちの住むところはここしかないと追い詰めさせちゃうというか。そういう感じですね。でも原理研に入ってる人たちはみんなまじめだったので」
学生たちは「マザー」と呼ばれる信者に管理されていました。