2026年に向けて再建が進められている首里城。現在は城の顔ともいえる正殿の建設が進められています。日本で唯一赤い城と言われる首里城。あの琉球独自の琉球独自の様式、そして鮮やかな朱色に彩るために欠かせないのが「瓦」です。その瓦の製作には、職人たちの絆と平成の復元から受け継がれる思いがありました。
瓦の原料のひとつ「シャモット」に込められた思い

首里城正殿を象徴する、青空に映える赤瓦。首里城再建に向け瓦6万枚をつくる一大プロジェクトが進んでいます。
島袋瓦工場 島袋義一さん
「首里城はね、沖縄のシンボルだから。誇りをもってやっていきたいと思います」
この瓦の復元に抜擢されたのが、島袋瓦工場をはじめとする与那原町にある3つの瓦工場。
当山瓦工場 当山彰さん
「やっぱり待ち遠しかったっていうのはありますけど、それより緊張が出てきましたね」
八幡瓦工場 八幡昇さん
「どうにか復興のお手伝いがようやくできるかなと思う」

この日は、瓦製作の第一段階、採取してきた原料を配合し、瓦に使う土を作る“製土の日”。今回使用する原料のひとつ、「シャモット」にはある思いが込められています。
島袋義一さん
「シャモットは今回火災にあった瓦の残骸を砕いて、パウダー状にしたのをシャモットって言うんですよ。これはやっぱり平成の復元の時の職人さんの思いを入れ込むという形でね。今回は原料全体の5%を入れ込んでいるわけです」

しかし、一度砕いたシャモットを土に混ぜ込むのは至難の業。土の配合の割合を決めるのに1年を要しました。
島袋義一さん
「これは平成の復元の時の職人の思いがあるよと言われたら、ああそうか、どうにかやろうということになったんですよ」