「歴史の中で作られた瓦よりも良い瓦を」平成の職人が語っていた信念
島袋さんは、平成の職人の姿を誰よりも近くで見ていました。
島袋義一さん
「前の瓦を製造した奥原というのは私の友人だったけどね。色々アドバイスはやりましたよ。友達でもあったし。まあ友達というより酒飲み友達だな」

島袋さんの友人でもあり、平成の復元で瓦の製作を担当した、今は亡き奥原さん。かつて県内の瓦業者は技術はあっても設備がないとの理由で、文化財の復元などに満足に関われませんでした。
その苦い経験から、当時、強い思いをもって瓦を製作しました。
平成の復元で瓦を制作した奥原嵩典さん(1992年の取材)
「やりたいというよりもやらなければというのが、まず先でしたね。僕は平成の瓦といつも言うんですけど、この平成の瓦が、歴史の中で作られた瓦よりもより良いものを作らんといかんということですから」

奥原さんをはじめとする平成の職人たちの思いを受け継ぎ、現在の職人たちによって瓦の製造が進められています。