ロシアにある“女帝待望論”

―――今までも様々な要人が亡くなった、不思議な死を遂げたことがありました。知らしめすために殺害しているのですか?

(中村逸郎氏)「恐怖心を与えると。そうした中で、やっぱりプーチン大統領にとっても心配なことってあるんですよ。このように抑圧・弾圧して暗殺してきている中で、プーチンは『“女帝”が生まれては困る…』と考えているのでは。今回、ナワリヌイさんが亡くなりましたが、妻のユリアさんが、自分は夫の意を継いで、プーチンに対する怒りっていうものをぶちまけるんだと、決して同情はいらない、立ち上がろうって言ったんですね。ロシアを振り返ってみますと、歴史的に、エカテリーナ2世っていう人が18世紀後半にいたんですね。この人はロシアという国を、単なる近代国家から広い領土を支配する帝国に変えたんですね。今でもエカテリーナ2世は大変尊敬されている。あまりにも偉大だったから、エカテリーナ2世以降ですけども、女性の皇帝が誕生してはいけないというふうに言われてきたんですね。だけども、ロシア人の中でやっぱり女帝っていう待望論というのはあるわけなんですね」

―――ユリア氏はアメリカのバイデン大統領とも面会。メッセージをしっかり発信していますが、実際にロシアでもユリア氏についていこうという動きはありますか?

(中村逸郎氏)「どんな話がロシアで出ているかというと、いろんな人が今、自分の意見をネットに流してるんですね。そうした中で私がびっくりしたのは、ある女性ですが、『ナワリヌイさんの死を聞いてずっと泣いてた。なんて幼稚な社会なんだろう』っていう声をあげている人もいるわけなんですね」