中村逸郎氏「ナワリヌイ氏は凍死による“死刑”か」

―――まず、現在、各国首脳が考えていることについてです。中村先生は、ロシアのプーチン大統領が「“用済み”と思ったのに…」と考えているということですが、どういうことでしょうか?
(中村逸郎氏)「(刑務所で死亡した)ナワリヌイさんは、反プーチンの急先鋒の活動家だったんですね。ですから、彼が集会を呼びかけるとたくさんの人が集まってくる。当局はその1人1人の写真を撮って、身元をあぶり出すんですね。特に職場を割り出して、職場の上司を使って『何をやっているんだ』と圧力をかけてきた。この10年間、ナワリヌイさんをずっとプーチン政権は自由にさせてきたんですが、もう来月(3月)大統領選挙ですので、全て割り出したということで、もう用なしだということなんですね」
―――2月16日に亡くなった反体制派の指導者・ナワリヌイ氏は、去年、過激派組織を創設した罪で懲役19年の判決を受け、北極圏の刑務所に収監されていました。散歩直後に体調を崩して意識を失い死亡。当局の発表は突然死症候群ということですが、中村先生の今のお話だと、殺されたということですか?
(中村逸郎氏)「そういうことだと思うんです。(ナワリヌイ氏の)お母さんの話ですが、この刑務所の横にお墓があるらしくて、そこに埋めましたと当局から言われたというニュースが入っています。実は私このシベリアの極北に行ったことあるんですよ。私が行ったのは10年前の1月中旬です。行ったときはマイナス45℃。ナワリヌイさんが亡くなったときは、私調べましたが、マイナス32℃なんですよ。どういう状況かというと、私の体験談ですが、呼吸ができないんです。なぜかっていうと、体ってだいたい36℃で、外気温がマイナス30℃40℃ですと70℃の差がある。もちろん鼻毛は凍ってしまうし、一気に冷たい空気は入れられない。だから少ししか呼吸ができない。そういうところにナワリヌイさんは置かれていた。私の見立てですが、ナワリヌイさんは実は凍死させられたんじゃないかと。刑務所と懲罰房というのがあって、刑務所でちゃんと言うことを聞かない人は懲罰房という狭い部屋に入れられるんです。それを行ったり来たりしてたんです、この1か月間。それでどうも、懲罰房にも刑務所にも入れない、マイナス30℃以下のところに放り出すと」
(武田一顕氏)「何でロシアって、特にプーチンさんってすぐ殺しちゃうんですか。中国は社会的に抹殺することはあっても、なかなかそのいわゆる直接的な形で殺すっていうことはないんですよね。だけどロシアはすぐ殺しちゃったり死なせちゃったりするが、これはなぜ?」
(中村逸郎氏)「毒殺だとか銃殺、暗殺、何でそういうことを繰り返すかっていうと、反体制派に対して恐怖を与えると。そこが実は大きなプーチン政権のすぐ殺してしまう(理由)。懸念すべきことは、こういったことをどんどんやるわけですね。このロシア政府っていうのは、ソ連が崩壊した後、事実上、死刑制度がないんですよ。死刑がないところで殺しているということなんですね」














