信号が復活した口羽駅も、鉄道公園として保存されたのが功を奏しました。
JR当時の信号システムはCTCという遠隔操作方式でしたが、今回、口羽駅単独で操作できるよう改修し、長く消えていた信号が復活。
この日は本物の鉄道と同様に信号に従って、トロッコ車両を運行させるためモーターカーを使って実地訓練をしていました。

NPO法人江の川鐡道 森田一平さん
「実際にポイントも切り替わって、それをみんなで体験をしてもらうということで、昔の駅の信号とポイントの関係とかですね、そういったものも理解してもらうことが可能になります。」

今年5月頃、信号システム体験プランなどが計画されているほか、信号に従う、より本格的な鉄道運行の実現を目指すとのこと。
システム復旧を支援した岡山県内の保存鉄道のスタッフは、三江線が持つ鉄道資産としての素材の良さを指摘します。

片上鉄道 森岡誠治さん
「信号は極力、元のそのままを使っている。三江線は鉄橋があって駅があってっていう、これ、今でもちゃんと鉄道ですよね。この資産を、みんなで楽しみながら次の世代につなげていけたら良いなと本当に思います。」

片上鉄道は廃線に車両を走らせる保存鉄道の先駆け的な存在ですが、運行区間は駅構内の数百メートルだけ。
一方で、鉄橋やトンネルなどが残っている三江線は、保存鉄道としての今後の伸びしろが大きいと見ています。