■ミッションは飛行性能の実証
2号機のミッションは、H3ロケットの飛行性能の確認です。
主力ロケットの最大のミッションは、搭載される衛星や探査機を、予定の軌道に投入することです。
初号機では、打ち上げの失敗で、搭載されていた先進光学衛星「だいち3号」は失われてしまいました。これを受け、2号機には予定していた「だいち4号」ではなく、衛星のダミー「VEP-4」が搭載されています。
「VEP-4」は、失敗した初号機に搭載されていた「だいち3号」と重さや重心がほぼ同じで、およそ2.6トン、高さ3.5メートルの金属製で、柱のような形をしています。「VEP-4」は、実際には分離させず、衛星を2段ロケットから分離する機構が正常に働くかを確認する試験が行われます。
■日本の宇宙開発のかなめ、国際競争の衛星ビジネス市場へ「日本の切り札」
H3ロケットはJAXAと三菱重工が開発した日本の次期主力ロケットで、開発費用はおよそ2000億円です。
日本の衛星や探査機、宇宙ステーションへの補給機の打ち上げを担うのが主力ロケットで、日本の宇宙開発のかなめとなります。
現在運用されているH2Aの成功率は約98%と世界最高水準ですが、打ち上げ費用はおよそ100億円。世界水準より3割ほど高いのが課題です。日本の宇宙開発だけでなく、世界で需要が高まる衛星打ち上げビジネス市場で、高コストはネックとなります。
そこでH3では機体構造を簡素化することなどで、打ち上げ費用をH2Aの半分、およそ50億円を目指します。世界の商業衛星の打ち上げ市場での受注獲得につなげたい考えです。
■記されたRTFの3文字 再挑戦の思い込め
ロケットの先端部分=フェアリングには、RTFと書かれています。「リターン・トゥ・フライト」の頭文字で、再挑戦の思いがこめられています。
この文字は、およそ3000人から寄せられた応援メッセージを印刷してできています。
■岡田匡史プロジェクトマネージャ 初号機失敗後は草むしりで無心に
関係企業を含めると数百人がかかわるロケット開発。チームのモチベーションを維持するうえで大切にしてきたことがあります。