米国は、燃料卸売会社や開発銀行、鉱業サービス会社に加え、ラウル・カストロ前国家評議会議長(国家元首)の孫の1人をキューバ関連の制裁対象リストに追加した。共産党政権が統治するキューバへの圧力を強めている。

米政府は、約70年にわたりキューバを統治してきたキューバの政権を退陣させようと、ほぼ毎週のように新たな制裁を科している。

米財務省外国資産管理局(OFAC)が3日に更新した指針で、制裁対象に指定した企業には、燃料や潤滑油を販売するコメルシアル・クペット、1999年設立のキューバ対外銀行、機械卸売会社ABAPET、鉱業に携わるCEXNIとNICAROTECが含まれる。

フィデル・エルネスト・カストロ・カリス氏(31)も対象となった。同氏は、キューバ内務省の高官で6月に制裁対象となったアレハンドロ・カストロ・エスピン氏の息子。一方、ラウル・カストロ氏の別の孫、ラウル・ギジェルモ・ロドリゲス・カストロ氏は、今回も制裁対象となっていない。同氏は、米・キューバ間の停滞した交渉で窓口となる可能性がある人物として注目されていた。

トランプ米政権が5月に対キューバ制裁を拡大して以降、少なくとも86の個人・組織が制裁対象となっている。

ルビオ米国務長官は声明で、制裁について「自由なキューバに向けた揺るぎない構想だ。そこでは、政権の不正な金融ネットワークや抑圧的な機構、カストロ時代から根付く権力構造が解体され、抑圧者ではなくキューバ国民が国の未来を受け継ぐ」と述べた。

制裁の専門家は、ABAPETの指定は特に重要だと指摘する。同社が、老朽化したキューバの発電所を維持するために必要な物資の調達に関与しているためだ。キューバが通常の需要を満たすには1日約10万バレルの石油が必要だが、国内生産はその5分の2にとどまる。

1月初めにキューバの主要な同盟国であるベネズエラのマドゥロ大統領を拘束し、同国からの石油供給を断ち切って以降、トランプ政権は事実上の燃料封鎖を実施。キューバに燃料を届けたのはロシアのタンカー1隻にとどまる。キューバ政府は、1カ月間に4回発生した全国規模の停電について、燃料不足が原因だとしている。

オブシディアン・リスク・アドバイザーズのマネジング・プリンシパル、ブレット・エリクソン氏は電子メールで「ABAPETを標的にするのは、封鎖をさらに強化するためだ。米国はキューバのエネルギーインフラが劣化し、荒廃して、さらに深刻な停電を引き起こすことを望んでいる」と指摘した。

原題:Fresh US Sanctions Hit Cuba’s Fuel Sector and a Castro Grandson(抜粋)

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