(ブルームバーグ):テニス四大大会の一つ、全米オープンのセンターコートに入場できるチケット価格が急落している。
ニューヨーク市の雨が降るどんよりした天候のせいだろうか。それとも、ノバク・ジョコビッチ選手の早期敗退で盛り上がりに水を差したのか。額面価格のチケットを買い占めた転売業者の法外な価格に、ファンが嫌気を差したのかもしれない。
理由が何であれ、アーサー・アッシュ・スタジアムには屋根があり、雨天の予報は試合に影響しない。ジョコビッチ選手は8月30日の1回戦で敗れたが、人気選手はまだ多く勝ち残る。9月1日夜にはココ・ガウフ選手が出場して勝利。今年の全仏オープン優勝者でウィンブルドン準優勝のアレクサンダー・ズベレフ選手も勝った。
それでも、同セッションの最安チケットは1枚69ドル(約1万1000円)まで下落し、3日前の提示価格から50%超安くなった。
2日の序盤の試合には、米国の人気選手ジェシカ・ペグラ選手とベン・シェルトン選手が登場。チケット価格は3日間で60%下落して約90ドルとなった。価格追跡サービス、チケットデータによると、コートサイド席とスタジアム中層に位置するロッジ席も50%安の187ドルとなった。
チケットデータ創業者のキース・パジェロ氏は、昨年は「多くのセッションで、開始までの48時間に価格が大幅に上昇した」と述べ、今回の下落は対照的だと指摘した。
新型コロナウイルス禍後、生の体験を求める需要が高まり、全米オープンはニューヨーク市で最も人気のあるスポーツイベントの一つとなった。100ドルのキャビア入りチキンナゲット、上位0.1%向けのスイート席に姿を見せる著名人、23ドルのカクテル「ハニーデュース」など競技とほとんど関係のない呼び物もあり、インフルエンサーやソーシャルメディアに熱中する人々を引き付けてきた。
だが、注目がテニスから離れるにつれ、純粋なファンからの不満は強まっている。
額面価格のチケットが発売直後にボットを使う転売業者に買い占められたことも不満に拍車をかけた。最上段の席でさえ元値の何倍にもなり、さらにチケットマスターの手数料が上乗せされた。
富豪のビル・アックマン氏でさえ、会場と屋外コートに入場できるものの座席が保証・指定されていないグラウンドパスが363ドルという価格について、非営利団体である全米テニス協会(USTA)の使命とどう整合するのか疑問を呈した。
その後、363ドルは二次流通市場の価格で、元値は75ドルだったと訂正した上で、「転売業者によって、より手頃な価格でチケットを購入する機会が奪われないようにする方法を見つけるべきだ」と述べた。
費用があまりに高額になったため、ニューヨーク市をより手頃な街にすることを公約に掲げて就任したマムダニ市長は今年、市民向けに1枚100ドルの割引チケット1000枚を販売すると発表した。
しかし、一部はそれすら大幅に下回る。テイラー・フリッツ選手とマディソン・キーズ選手が登場した1日のアッシュでの午前のセッションは、3日間で最大88%下落し、約25ドルとなった。
パジェロ氏は、ニューヨークの雨天が価格に影響している可能性はあるものの、大きな理由だとは考えていない。
同氏は「明日を過ぎれば、天候を理由にはできなくなる」と指摘。「価格が再び上向く可能性もあるが、そうならないかもしれない。これで全てが軟調になったとは思わない。まだ続きがある」と述べた。
チケットデータによると、アーサー・アッシュの座席価格は、12、13日の決勝を除く今後の全ラウンドで2025年の水準を下回っている。
原題:NYC’s US Open Tickets Tumble to Below $100 a Seat at Arthur Ashe(抜粋)
--取材協力:Sridhar Natarajan.もっと読むにはこちら bloomberg.com/jp
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