AIなど新興技術の規制を巡り、20カ国・地域(G20)の代表は、厳格な規制を避けるよう求める米国提案の指針を全会一致で支持した。

ラトニック米商務長官は2日、米ノースカロライナ州でトランプ政権が主催したテクノロジー・イノベーション会合の終了後、G20の全参加国が枠組みを支持したと明らかにした。

指針に法的拘束力はないものの、AIの主導権を巡る競争が激しさを増す中、技術規制の在り方でG20が足並みをそろえたのは異例だ。ラトニック氏は、全参加国の合意を得るには「非常に大きな労力」が必要だったと説明。「世界の指導者が集まれば、常に多くの政治的な駆け引きがある」と述べた。

ラトニック米商務長官は、ノースカロライナ州チャペルヒルで開かれたG20イノベーション閣僚会合で、ブルームバーグテレビジョンのインタビューに応じ、AIの利点を強調。アンソロピックがトランプ政権との関係を修復したと述べたほか、米国とカナダの通商交渉の現状についても語った。

「カロライナ原則」と名付けられた文書は、G20各国に対し、規制策定では業界ごとのアプローチを採用し、AIの規制を目的とする新たな機関を設置しないよう求めている。新興技術の検証では政府と民間企業の連携強化を促す一方、画期的な製品の導入が遅れることによる潜在的なコストも考慮するよう訴えた。

この原則は12月、フロリダ州ドラルにあるトランプ米大統領のゴルフクラブで開かれるG20首脳会議(サミット)で正式に採択される見通し。

ホワイトハウス科学技術政策局(OSTP)のクラツィオス局長は、ラトニック氏と共同記者会見し、「米国から参加国へのメッセージは非常に明確なものだ。世界でさらなる成長とイノベーションを実現したい」と語った。

2日間の会合には、スペースXのイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)、エヌビディアのジェンスン・フアンCEO、OpenAIのサム・アルトマンCEOらテクノロジー業界の有力者も参加。規制を厳格化せずにAI導入を加速するよう求める政権の方針を支持した。

フアンCEOは記者団に対し、AI規制は対象を絞るべきだと主張。製品の安全確保は政府当局者ではなく企業が責任を負うべきだとの考えを示した。ラトニック氏との対談後、「AIはまだ形成段階にある。私が助言するとすれば、現実に起きている具体的な害を規制し、理論上あるいは仮定上の害を規制しないことだ」と発言。「各企業が自ら責任を負い、安全に技術を開発しなければならない」と話した。

ノースカロライナ州で開かれたG20イノベーション閣僚会合に出席したジェンスン・フアン氏とラトニック米商務長官(9月2日)

原題:US Strikes Light-Touch AI Regulation Accord With G20 Members (1)(抜粋)

--取材協力:Joe Mathieu.

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