仏運用会社ナティクシス・インベストメント・マネジャーズは、日本の国債利回りがインフレ圧力を背景に上昇する中でも、同国の経済成長の勢いは持続するとみて日本株への投資比率を引き上げた。同社のストラテジストがブルームバーグのインタビューで明らかにした。

ナティクシスのマブルーク・シェトゥアン氏とロマン・オモンド氏は、日本の金融・財政政策は米国よりも経済や株式市場を後押ししていると述べた。ナティクシスは保有する米国株の一部を売却し、その資金を日本株に振り向けた。

グローバル市場戦略責任者のシェトゥアン氏は「株式市場を動かす力は米国より日本の方が強い」との見方を示した。「日本の債券に強気となる理由はないが、それは欧州や米国でも同じだ。リスクとリターンのバランスが最も優れているのは株式だと確信している」と語った。

世界で約1.5兆ドル(約240兆円)の資産を運用するナティクシスは、8月31日に日本株の比率を引き上げた。10年国債の利回りが1996年以来の3%に到達する前日だった。以前は3%以上の水準は株式に打撃を与え得るとみていた。

クオンツ・マクロ・ストラテジストのオモンド氏は「最近の実質金利の上昇は成長の勢いによるものだ」と指摘。これは「日本銀行の金融政策を巡る懸念とは関係ない」とし、日本株への投資比率を高めるべきだという非常に強いシグナルだと述べた。

シェトゥアン氏は、インフレ率の上昇は企業収益を押し上げるとし、「市場はそれを織り込んでいる」と話した。賃金など経済指標の強さを踏まえ、両氏は日本株が2026年、27年にさらに上昇する余地があるとみる。

同社は、長期債の運用成績がマイナスとなっていることから、世界の債券市場への投資比率を低めにしている。米国の30年国債利回りは、ベッセント財務長官が利回り上昇を食い止めるため、年限が長い国債の買い戻し上限を増額すると8月に発表した直前の水準まで上昇した。英国の30年国債利回りは1998年以来の高水準、オーストラリアの10年国債利回りも15年ぶりの高水準に急上昇した。

日本銀行の植田和男総裁は、18日に開かれる金融政策決定会合で利上げを決める可能性を示唆した。翌日物金利スワップ市場では同会合での利上げを完全に織り込んでいる。

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