欧州中央銀行(ECB)政策委員会メンバーは7月の会合で、インフレ率を2%の目標に戻すため、「やや引き締め的な」金融政策が必要となる可能性について議論した。

ECBが27日公表した7月22-23日会合の議事要旨によると、一部の当局者は「追加利上げが正当化されない状況となる可能性は低い」として、同会合で利上げが決定されていたとしても支持する意向を明らかにした。

ただ、根強いインフレをめぐって不確実性が高い中、「全てのメンバーが政策金利据え置きの決定を積極的に支持した」という。

ユーロ圏のインフレ率は3%前後と、ECBの目標である2%を大幅に上回る。経済成長も予想以上に堅調なことから、当局者は6月の利上げに続き、2週間後の会合で追加利上げを実施すると広く予想されている。

タカ派寄りのシュナーベル理事は今週、ブルームバーグに対し、中東で長期化する紛争と予想外に堅調な経済成長がインフレの上振れリスクを高めているため、金利をさらに引き上げる必要があると述べた。一方、ハト派寄りのチポローネ理事は経済への悪影響回避を理由に、ECBは金融政策を過度に引き締めるべきではないと警告した。

政策当局者にとって重要な問題は、現在2.25%に設定されている中銀預金金利を、経済活動を抑制する水準まで引き上げる必要があるかどうかだ。チーフエコノミストのレーン理事は、2.5%が中立金利のレンジの上限との見方を示している。

議事要旨の主な内容は以下の通り。

インフレについて:

  • 「金融政策にとって中心的な問題は引き続き、現在のインフレ率の上昇が、短期的な供給サイドの混乱の反映なのか、広範にわたる基調的なインフレ圧力の示唆なのかという点にある。複数のメンバーは、どちらの可能性が高いかを判断するには、なお十分な見通しが得られていないとの認識を示した」
  • 「6月のインフレ率が予想を下回ったこと、同月のコアインフレ率が小幅に鈍化したこと、賃金動向が引き続きインフレ目標と整合する水準だったことは、いずれも」金利据え置きを支持する要因だった
    • 「インフレには上振れリスクがあるものの、長期的なインフレ期待を示す指標の大半は2%前後で十分に抑制されており、中期的にインフレ率が目標付近で安定することを支えている」
    • 「さらに、二次的影響が顕在化していることを示す証拠はほとんどなかった」

金利について:

  • 「メンバーは、入手したデータが今回の会合で利上げを一時停止する強い根拠になったと強調した。急を要する状況にはないが、なお変化しやすいと判断され、基本シナリオの見通しはおおむね安定しているとみられた」
  • 「スタッフの分析では、これまでのインフレ上昇はほぼ全面的にエネルギー供給の動向に起因し、2021-22年のインフレ急騰時とは異なり、総需要や財政政策の影響は事実上なかった。このため、利上げをしてもインフレ上昇の根本的な原因への対処にはならないとの意見が示された」
  • 「9月まで待ち、状況を改めて評価するのは合理的な判断だとの認識が示された」
  • 「一部のメンバーは、6月会合以降に入手したデータが金融政策の追加引き締めの正当性を裏付けていたことから、今回の会合で利上げが提案されても反対しなかっただろうと指摘した」
    • 「これらのメンバーはまた、金利をやや引き締め的な領域に移行させる必要があると主張した。現在の金利は経済活動を抑制していないとみられ、企業・家計向け融資の伸びがさらに加速していることも、その見方を裏付けているとした」

経済情勢について:

  • 「短期的な見通しは6月の予測から若干改善した」
  • 「ユーロ圏経済は予想以上に底堅い一方、過剰な総需要が生じる条件は整っていない様子であると考えられた」
  • 「今年の経済の底堅さを支えた要因の1つは、これまで引き締め的だった金融政策がもはや経済活動の重しとはならず、建設投資と信用拡大を後押ししたことだ」

原題:ECB Officials Discussed Need for ‘Mildly Restrictive’ Policy(抜粋)

--取材協力:Fabrice Obrist.

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