年間5兆円の財源は?「赤字国債に頼らない」の実現性は?

食料品の消費税減税で穴があく財源は年間5兆円。

高市総理は「市場の信認が得られるように、赤字国債に頼らず確保する」と強調し、租税特別措置と呼ばれる特定の業界への優遇税制や補助金、基金の廃止も含めて、歳入と歳出両面の見直しを進めるほか、税外収入も活用するとしているが、計22回も行われた国民会議の実務者会議でも、具体的な財源の裏付けは提示されていない。

財務官僚からは「年末まで具体的な代替財源は決まらない」という声が聞こえる。

それは、来年度の予算が「責任ある積極財政 元年」と位置付けられていることに起因する。片山さつき財務相は「戦後最大の予算編成改革」と強調、これまでの補正予算に依存した予算作りから脱却し、大胆に投資を加速させる方針を示している。

2040年までに官民で370兆円規模の投資を目指すなかで「成長投資」や「危機管理投資」にどれくらいの予算をつけるのか、また、安全保障環境が厳しさを増すなかで、防衛費をどの程度増額するのかなど、歳出面での膨張圧力が大きく、本当に消費税減税の代替財源を確保できるかは見通せない。

仮に、消費税減税の代替財源を見つけても、代わりに成長投資の財源を全て赤字国債に依存するような状況になれば、それでは本当の意味で「赤字国債に頼らない」とする約束を果たしたことにはならないだろう。マーケットは財政悪化の要因とみなし、円安が加速、せっかくの減税がさらなる物価高を誘発することにつながりかねない。

さらに言えば、年間30兆円程度の赤字国債が発行されるなかで、財政的な余裕はないのが実情だ。