(ブルームバーグ):米国とイランの暫定的な和平が事実上、崩壊した。米軍が海上封鎖を再開し、イランに対して新たな空爆を実施する一方、イラン側もホルムズ海峡を航行する石油タンカーへの攻撃を強めている。
米国とイランの攻撃の応酬は過去1週間で激化、トランプ米大統領は13日、イランの港湾に対する海上封鎖の再開を決めた。攻撃が再び始まってからホルムズ海峡の通航量は減少しており、原油価格は20%上昇した。北海ブレント原油は1バレル当たり86ドル付近で取引されている。
米国は13日夜、5時間にわたりイラン南部の複数の町や都市にある軍事施設を空爆した。イラン側もヨルダンとバーレーンの米軍基地を攻撃対象としたほか、アラブ首長国連邦(UAE)の石油タンカー2隻を巡航ミサイルで攻撃した。この攻撃ではインド国籍の船員1人が死亡したほか、約8人が負傷した。
イランのイスラム革命防衛隊(IRGC)は、タンカーが警告を無視したほか、イランが承認した航路を外れるよう米国が船舶を「あおった」と主張した。
今月7日以降、サウジアラビアやカタールのタンカーを含めて、船舶への攻撃が相次いでおり、米国はこれを受け、イラン軍施設数百カ所を攻撃した。それに対し、イランはクウェートやバーレーン、カタール、オマーンなど米同盟国への反撃に踏み切った。
ユーラシア・グループのアナリスト、グレゴリー・ブリュー氏やフィラス・マクサド氏らは、「6月の合意で成立した不安定な和平は終わった」と指摘。「双方とも自らの立場を堅持しており、急速な緊張緩和は見込みにくい。緊張の高まりとホルムズ海峡の通航量低迷は、7月いっぱい続く可能性が高い」と分析した。
フーシ派
また、サウジアラビアとイエメンの親イラン武装組織フーシ派との敵対行為も再燃しており、紅海南部のバブ・エル・マンデブ海峡の情勢不安につながる恐れがある。サウジアラビアは、フーシ派が支配するイエメンの首都サヌアの空港を空爆し、これを受けてフーシ派は13日、サウジアラビア南部の空港を攻撃した。両者の衝突は、2022年の停戦以来で最も深刻なものとなっている。
トランプ氏は、ホルムズ海峡は開かれているとの認識を示す一方で、海峡を通過する全ての貨物に20%の負担金を課す考えを示した。同氏はSNSへの投稿で、この負担金は「世界でも極めて不安定なこの海域で、安全と治安を確保するために必要なあらゆる費用」を賄うものだと説明した。
同氏は、この措置は「直ちに開始される」と述べたが、14日時点で米国が実際に船舶から料金を徴収していたかどうかは明らかではなかった。ホワイトハウスは、料金の徴収方法や、この提案がサウジやカタール、UAEなど地域の米国同盟国に伝達されていたかどうかを含め、トランプ氏の提案の詳細については明らかにしなかった。
原題:US-Iran Truce Collapses as Attacks Worsen, Blockade Restarts (1)
(抜粋)
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