(ブルームバーグ):21日のエネルギー市場で、原油が3日続伸。北海ブレント原油は1バレル=91ドル台後半まで上昇し、一時92ドルに近づく場面もあった。ホルムズ海峡や紅海の海上交通に対する脅威に加え、ロシア沿岸にあるカザフスタン産原油の主要輸出ターミナルを巡るリスクも材料視されている。
ニューヨーク時間午前10時30分現在、北海ブレントは前日比2.6%高の91.55ドルで取引されている。米ウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)は2.6%高の85ドル台半ばで推移している。
トランプ米大統領は、過去数日で米兵3人が死亡したことを受け、イランは「報いを受けることになる」と警告。その後、米軍はイランの標的を攻撃した。イランへの攻撃は10日連続となる。イランもホルムズ海峡内でタンカーへの攻撃を続けている。
一方でサウジアラビアがホルムズ海峡を迂回(うかい)して原油を輸出するルートである紅海に対し、イエメンのフーシ派は海上交通を封鎖すると警告した。サウジ産原油を中国向けに輸送していた超大型原油タンカー1隻が、紅海でUターンしたこともすでに確認された。
中東以外でも供給に混乱が広がっている。ロシアの黒海沿岸にあるターミナルでは、一連の攻撃で輸送に支障が生じた。同ターミナルはカザフスタン産原油の大半を積み出している。カザフスタンは原油輸出量が日量180万バレル近くに達することもあり、世界有数の原油輸出国となっている。ウクライナは一連の攻撃への直接の関与は認めていない。

原油価格は紛争の激化と緊張緩和の見通しに応じて、大きな変動を繰り返してきた。フーシ派の脅威は、紛争の拡大懸念を改めて強めている。イラン戦争による最悪の影響は回避されたとの見方が広がっていた原油市場で、価格を再び押し上げる要因となる可能性がある。
トータス・キャピタルのシニアポートフォリオマネジャー、ロブ・サムル氏は、フーシ派の脅威について「インフラ、とりわけ航路が混乱すれば、原油価格が急騰する可能性がある」と述べた。「在庫はやや取り崩されており、余裕はほとんどない」と語った。
ライスタッド・エナジーのシニアバイスプレジデント兼地政学分析責任者、ホルヘ・レオン氏はリポートで、サウジは紅海の主要輸出拠点ヤンブーからの輸出を拡大しており、フーシ派の攻撃によって日量約250万バレルがリスクにさらされていると指摘した。
ブルームバーグがまとめた船舶追跡データによると、サウジ西部ヤンブーからの原油輸出は、フーシ派による封鎖威嚇を前に過去最高水準に達していた。サウジ外務省は声明で、国際法および1982年の国連海洋法条約に基づき、自国船舶を保護するために必要なあらゆる措置を講じると表明した。
原題:Oil Dips After Two-Day Gain as Traders Weigh Middle East Outlook(抜粋)
Oil Climbs as Traders Weigh Slew of Risks From Hormuz to Red Sea
--取材協力:Nicholas Lua.もっと読むにはこちら bloomberg.com/jp
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