ファストフードという国民食
自動車社会と産業化に伴い発展したファストフードは、アメリカ社会の合理主義の象徴である。しかし、その裏側には複雑な宗教観や階層問題が存在する。
例えば、南部を中心に人気のチキンサンドイッチチェーンである「チックフィレ」は、創業者がキリスト教福音派である。

加藤:
1946年に始まって、すごく熱心だからモールとかにも入っているんだけど、日曜日は安息日、礼拝の日だから開けないんですよ。近年では同性婚を認めないみたいな発言をして…。
同性婚への反対姿勢から不買運動が起きるなど、企業の宗教的背景がビジネスや社会の分断と直結しているのだ。


さらに、ファストフードは階層問題とも密接に関わる。アメリカの公立学校には日本のような形式の給食がなく、共働き家庭や貧困層の子供たちは学校で1人用のドミノピザやカップ麺ばかりを食べることも多い。こうした食生活が肥満問題に繋がっている。近年では糖尿病や肥満症の治療薬を開発する製薬大手イーライリリーの株価が高騰するなど、健康格差が経済とも深く結びついている。