(ブルームバーグ):ブラジルのルラ大統領は労働組合運動から頭角を現し、一世代にわたり中南米の左派勢力をけん引してきた。しかし、フランスで今週開催された主要7カ国首脳会議(G7サミット)の合間に交わされた雑談で、自身について異なる見解を述べた。
国際通貨基金(IMF)のゲオルギエワ専務理事やドイツのメルツ首相との会話で、ルラ氏は「私が左派だったことはない」と発言。フランスを含む欧州全土で社会主義政党が影響力を失っていることを挙げ、「世界は左派ではなく、中道を歩むものだ。それが真実だ」と語った。
80歳のルラ氏はブラジルの労働者党の創設者。ストライキや軍事政権への抵抗、自国の保守派支配層との数十年にわたる闘争で、自身のイメージを築き上げた。そのため、各首脳が会合を後にする際にカメラが捉え、マイクに拾われた同氏の発言は、意外なものと受け止められそうだ。
一方、ルラ氏の政治キャリアを振り返ると、理念だけでなく、現実主義によって形作られてきた側面もある。10月の選挙で前例のない通算4期目の当選を果たすためには、中道派へのアピールが欠かせず、同氏はトランプ米大統領や、トランプ氏の後押しを受けて中南米で近年誕生した右派指導者たちとの関係改善にも動いている。
ルラ氏は、ゲオルギエワ氏やメルツ氏との会話の中で、政治キャリアの原点となったエピソードも披露。軍事政権下の時代に、旧ソ連のイベントに招待された際、国家安全保障法の下で有罪判決を受けて渡航を禁じられたという。
ルラ氏は「私は連帯を求めて欧州を旅した。以来、私は反共産主義者と見なされるようになった」と話した。
原題:‘I Was Never a Leftist,’ Lula Says in G7 Chat Caught on Camera(抜粋)
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