アイルランドのバイオ医薬品企業アルカミーズは17日、開発中の新薬が、睡眠障害の一種である「ナルコレプシー」の一部患者について覚醒状態を改善し、日中の強い眠気を軽減したと明らかにした。有望な薬剤群が、想定以上に幅広い患者に役立つ可能性を示すものだ。

米メリーランド州ボルティモアで開かれた睡眠医学の学会で発表した。新薬「alixorexton」がナルコレプシーの2型患者に有効性を示した。オレキシン受容体作動薬と呼ばれる新しい薬剤群が、ナルコレプシー2型患者に有効であり得ることを裏付けた臨床試験の一つとなった。

現在の治療法は主に中枢神経を刺激する医薬品や睡眠を促進する薬剤に依存している。しかし、効果には限界があり、すべての症状を改善できるわけではない。このため製薬各社は、ほかの睡眠・覚醒障害にも対応できる、より優れた治療法の開発を進めている。

アルカミーズのリチャード・ポップス最高経営責任者(CEO)はインタビューで、ナルコレプシー治療において「これほど対症療法的でない治療法が登場したのは初めてだ。われわれは覚醒を生み出す脳内回路に直接働きかけている」と語った。

オレキシンは1990年代後半に発見され、脳の覚醒状態を制御する主要な仕組みの一つとされる。典型的なナルコレプシーである1型では、オレキシンを産生する神経細胞が失われる。オレキシンの働きを安全に再現し、脳内に到達できる薬剤の開発には長い年月を要した。

オレキシン研究への期待を背景に、イーライリリーや武田薬品工業など製薬各社が開発競争を繰り広げている。現在、別のタイプのナルコレプシーを対象とした薬剤で先行しているのは武田薬品だ。同社のオベポレクストンは、1型を対象とした後期臨床試験で良好な結果を示している。

アルカミーズの中期段階の治験には、1型でみられるような重度のオレキシン欠乏を伴わない2型患者93人が参加した。発表によると、alixorextonを投与された患者は8週間後、標準化された試験で覚醒を維持できる時間が大幅に延び、プラセボ群より日中の眠気が著しく軽減した。主な副作用としては不眠や排尿回数の増加がみられた。

オレキシンの働きを模倣する薬剤が幅広い疾患で有効となる可能性があるとアルカミーズはみている。過度の眠気を特徴とする特発性過眠症を対象にalixorextonの試験を進めているほか、注意欠陥多動性障害(ADHD)のほか、多発性硬化症やパーキンソン病に伴う疲労を対象に、別のオレキシン関連薬の研究も進めている。

原題:Sleep Disorder Drugs That Target Brain Circuitry Show Promise(抜粋)

もっと読むにはこちら bloomberg.com/jp

©2026 Bloomberg L.P.