液化天然ガス(LNG)価格は、アジアの気温上昇と欧州の在庫補充需要が需要を押し上げるため、3年余りぶりの高水準に上昇する見通しだ。モルガン・スタンレーが指摘した。

デビン・マクダーモット氏やマーティン・ラッツ氏らのアナリストはリポートで、アジアの指標価格は第3-4四半期に100万BTU(英国熱量単位)当たり25ドルに上昇する見通しだとした。市場のフォワードカーブが示す水準を30%以上上回る。欧州各国がロシア産パイプライン供給の代替確保を急ぎ、世界価格を押し上げた2023年初め以来の水準となる。

モルガンSは、中東での紛争が近く解決した場合でも価格は上昇するとみている。インドや中国など主要市場で消費が増え始める一方、冬を前に在庫を積み増す期間は急速に短くなっているという。

アナリストらは「3月と4月は世界の輸入が急減し、失われた供給の大部分を相殺する助けとなった」とした上で、「貯蔵の再構築に向けた緊急性が高まり、夏の暑さが始まる中、需要は回復し始めた」と述べた。

ペルシャ湾岸からの供給減少分の大半は、他地域のLNG設備の稼働率上昇や北米での新規生産能力の稼働開始によって相殺されたと、モルガンSは指摘した。その結果、5月の世界供給は前年同月を100万トン下回る程度にとどまった。

一方、予報ではアジアの6月と7月の気温はやや高めになる見通しで、消費を引き続き支えるはずだとモルガンSはみている。欧州ではガス在庫が前年を17%、10年平均を25%それぞれ下回る低水準にあるにもかかわらず、先月の需要は減少した。

原題:Morgan Stanley Sees LNG Upside Risks as Asian Demand Picks Up(抜粋)

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