高度技術を持つ人材に米国での就労を許可するH-1Bビザについて、申請手数料を10万ドル(約1600万円)に引き上げたトランプ米大統領の布告は無効だと、連邦地裁判事が判断を下した。米テック業界は外国人の採用でこのビザに依存している。

マサチューセッツ州のソロキン連邦地裁判事は8日、利用者の多いH-1Bビザの費用を大幅に引き上げる大統領令は違法な課税に当たり、無効とされなければならないと判断した。移民抑制と米国人労働者の需要拡大を目指すトランプ政権にとって、打撃となる。政府は控訴する方針を示している。

この手数料引き上げの差し止めを求めて、カリフォルニア州など20州が提訴していた。訴状では、この政策は大統領としての権限を逸脱しており、とりわけ教育や医療など重要な公共部門に悪影響を及ぼすと主張していた。

ソロキン判事は判決文で「議会への委任が必要とされているにもかかわらず、それを経ずに手数料を引き上げる政策は、申請者に対する課税に相当する」と述べた。

ホワイトハウスは判決に異議を唱え、控訴する方針を示した。

この問題では、米商工会議所と看護師あっせん会社がそれぞれ訴訟を提起。今回のケースを含め、少なくとも3件の訴訟が起こされている。

H-1Bビザは抽選方式で付与されるが、主にテクノロジー業界で利用されている。米政府によると、ビザ取得者の多い企業にはアマゾン・ドット・コムや、タタ・コンサルタンシー・サービシズ、マイクロソフト、メタ・プラットフォームズ、アップルが含まれる。

ソロキン判事は2月の最高裁判決を引用し、法律上明確な根拠がない場合、大統領に税や関税を一方的に課す権限はないと判断した。最高裁はトランプ氏が一方的に講じた世界的な関税措置に対し、無効と判断した。

「曖昧な文言だけでは、課税権限の委任を認めるには不十分だ」とソロキン判事は述べた。

原題:Trump’s $100,000 H-1B Visa Application Fee Rejected by Judge (1)(抜粋)

--取材協力:Erik Larson、Josh Wingrove、Alicia A. Caldwell、Zoe Tillman.

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