自覚症状がなかった患者~世帯収入による違いが顕著

自覚症状がなかった外来患者について、世帯収入別に受診までに時間がかかった理由をまとめたものと、先ほどの自覚症状があった外来患者と比べると、世帯収入による違いがより顕著に表れている。
まず、世帯収入200万円未満の層では「様子見」と回答した割合が高く、収入が高くなるにつれて低下する傾向がみられる。前述の通り、自覚症状がないにもかかわらず受診に至った背景としては、健診後の精密検査や再検査の勧奨、他の医療機関等での検査結果、医師による他覚的所見等が想定される。これらは、本人にとって差し迫った必要性を感じにくい面もあり、日々の生活費や仕事、家族の都合に押されて後回しにされやすい。世帯収入200万円未満と800万円以上の層を単純比較すると、回答割合には約1.9倍(13.3%ポイント)の差があり、低収入層では、生活上の制約の中で自覚症状のない段階での受診が後回しになりやすいことが示唆される。
一方、世帯収入が高い層では、「医療機関に行く時間の都合がつかなかった」と回答した割合が最も高く、収入が高くなるにつれて上昇する傾向がみられる。世帯収入200万円未満と800万円以上の層を単純比較すると、回答割合には約1.8倍(18.6%ポイント)の差がある。また、「医療機関の都合(予約が取れないなど)」も中高収入層で一定程度みられる。こうした結果は、時間的な制約や医療提供側・予約面の状況等によって、受診が後回しにされる可能性を示している。