賃上げを求めるメキシコの教員らが、11日に開幕する国際サッカー連盟(FIFA)ワールドカップ(W杯)の開催期間中に抗議活動を拡大する構えを示している。空港の受け入れ体制や交通渋滞、一部開催都市の治安リスクを巡る懸念が指摘される中、大会運営側にさらなる圧力をかけている。

メキシコの教員組合CNTEの代表らは2日、要求事項について協議するため、シェインバウム政権の内相および公共教育相と会談した。これに先立ち、メキシコ市中心部で行われた抗議活動は一部で暴力的な展開となり、デモ参加者と警察の衝突により十数人が負傷した。

協議が行われている間、デモ参加者らは道路を封鎖したほか、市内の主要幹線道路の一つであるレフォルマ通り沿いに設置されていたW杯に参加する各国の選手を模した像を倒した。地元紙レフォルマによると、会談は合意に至らずに終了した。デモ参加者は現在、シェインバウム大統領との会談を求めているという。

CNTE代表のエルビラ・ベレセス氏は、像を倒したことはデモ参加者からの警告だったとし、「CNTEが抗議活動を強化すると決めた場合に何が起こるかを示す兆候だ」と語った。

デモ参加者によって倒されたW杯参加選手を模した像(メキシコ市)

CNTEはここ数日、全国規模で抗議活動を拡大している。組合側は、教員の年金制度を公的年金から民間運用型に切り替えた改革の見直しを求めているほか、政府が提示した9%の賃上げ案は不十分だとして大幅な給与引き上げを要求している。加えて、雇用の安定や教員の権利保護強化も訴えている。

CNTE幹部は、要求が受け入れられない場合、抗議活動の拡大や全国ストライキの実施、さらにはW杯期間中のデモ活動も辞さない姿勢を示している。

シェインバウム氏は対話を通じた解決に期待を示す一方、組合側の要求を全て受け入れることは困難との認識を改めて表明した。

同氏は1日の定例記者会見で「対話を通じて対応可能な課題には取り組む」と述べた上で、「予算上の制約から全面的に応じられない要求もあるが、対応できるものもある」と語った。

2日には前日の抗議活動で発生した暴力行為を非難し、教員らに責任はないとの認識を示した。

原題:Mexican Teachers Threaten to Disrupt World Cup Over Wages (1)(抜粋)

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