(ブルームバーグ):欧州は今シーズン初の大規模な熱波に見舞われ、各地で記録的な暑さとなっている。英国は水不足に陥っているほか、フランスでは熱波の影響で複数の死者が出た。
持続的な高気圧が熱を閉じ込める「ヒートドーム」と呼ばれる現象が原因で、欧州の北西部全般で平均気温が例年を9-15度上回っている。英気象庁によると、ロンドンでは26日、気温が35度に達し、5月の最高気温記録を塗り替えた。
ヒートドームの影響で、英国では広範囲で雲が押し流され、異例の晴天が続いている。これが暑さをさらに強める一方で、太陽光発電量の急増にもつながっている。
英電力系統運用機関NESOのデータによると、24日の正午前後のピーク時には、太陽光発電が同国の電力需要のほぼ半分を賄い、過去最高を記録した。
太陽光発電の急増は、欧州全域の電力価格の下押し要因にもなっている。フランスでは、Epex Spotで26日午後1時前後の時間帯別価格が0ユーロを割り込み、マイナス圏で取引された。
今回の熱波による水不足や原子炉冷却に利用される主要河川の水温上昇に伴い、水力発電の供給状況や原子力発電の出力抑制を巡って、長期的な懸念も強まっている。
またヒートドーム下の晴天は太陽光発電には追い風となる一方で、風速低下で風力発電には逆風となっている。ドイツ、スペイン、イタリア、フランスでは今週、風力発電量が平年を下回ると予想されている。RTEのデータによると、フランスの風力発電量は午後1時頃に約0.5ギガワットまで落ち込み、年初来平均の7.4ギガワットを大きく下回った。
暑さは26日にピークを迎え、その後は週末にかけて徐々に和らぐ見通しだ。
英国では週末、水需要の増加によってシステム障害が発生し、ケント州とサセックス州の約800世帯で断水や水圧低下が起きた。コッツウォルズ地方の村では水道管破裂が発生し、約200世帯で水圧低下が生じた。テムズ・ウォーターは原因を調査中だが、熱波時には需要急増に加え、高温によって埋設管周辺の土壌が収縮・移動し、水道管が損傷することがある。
フランスでは25日、5月の最高気温を記録した。フランス気象局によると、26日はパリで気温が33度まで上がる見通し。南部ラングドック地方では日中の最高気温が39度に達すると予想されている。
同国では、熱波が直接的な原因となって少なくとも2人が死亡したと政府報道官が明らかにした。少なくとも5人が溺死したほか、スポーツイベント中に熱中症関連の死者も出たという。
原題:European Power Prices Turn Negative as Heat Wave Breaks Records(抜粋)
--取材協力:Phil Serafino、Nayla Razzouk、Eva Brendel.もっと読むにはこちら bloomberg.com/jp
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