(ブルームバーグ):サウジアラビアの複数の石油施設で煙が立ち上っていることを示す衛星画像を、石油市場のトレーダーらは48時間前までさかのぼって検証したが、親イラン派民兵組織フーシ派による最近の攻撃が影響を及ぼしたかどうかについて、手掛かりはほとんど得られなかった。
欧州連合(EU)の地球観測衛星「センティネル2」の画像では、アブカイク石油処理施設でフレアリングが確認された。サウジアラビアの石油生産インフラで中核的な役割を担う同施設は、1日当たり約700万バレルの処理能力を有する。この施設は2019年にフーシ派による攻撃を受け、同国の石油生産は半減した。
今月に入り、アブカイクでのフレアリングが確認されたセンティネル2画像はない。過去にはサウジのエネルギーインフラが攻撃対象となった際、フレアリングが確認されたことがある。同施設はホルムズ海峡を迂回(うかい)してサウジ産原油を紅海へ輸送する重要なルートを提供してきた、東西パイプラインの起点でもある。
フレアスタックは処理施設で発生した余剰ガスを燃焼処理する役割を果たし、産業施設にとって重要な安全弁として機能する。施設が攻撃を受けた、あるいは損傷したことを必ずしも示すものではない。
世界最大級の油田であるガワール油田に位置するハウィヤ・ガス処理施設でも、フレアリングが行われているように見受けられる。
イエメンを拠点とする武装勢力フーシ派は、週末にミサイルとドローンでサウジの石油施設を標的にしたと発表した。イランの支援を受ける同組織は、西部の重要な輸出拠点ヤンブーと、西海岸に位置するジャザンの大規模製油所への攻撃を試みたとしている。サウジは27日、イラク領内から発射された複数のドローンを迎撃したと発表したが、攻撃による影響については現時点でコメントしていない。
国営石油会社サウジアラムコと同国エネルギー省はコメント要請に応じなかった。
市場関係者はこれらの画像からはサウジの操業が混乱したかどうかは明らかにならないとした一方で、先週に北海ブレント原油先物が一時1バレル100ドルを再び上回った後だけに、市場にはこれ以上の供給途絶を吸収する余地はないと付け加えた。世界の石油供給はイラン戦争によって深刻な混乱に見舞われており、ホルムズ海峡では断続的にしか船舶が航行していない。さらにフーシ派は最近、サウジアラビアの海上封鎖を開始すると表明し、リスクを一段と高めた。
アブカイクの画像からは、ガスと石油を分離する上で重要な巨大球形タンクの1つに大量の水分があることが確認された。そのエリアで特に水分量が高く見えた理由は明らかになっていない。
ジャザンでは1基のタンクで火災が発生していたほか、施設東側のフレアスタックからも煙が立ち上っていたことが、センティネル2の画像で確認された。これらの事象が施設の操業に影響を与えたかどうかは不明だが、画像から目に見える影響は貯蔵タンク付近に集中していることが示唆される。また、施設南側のタンク群は煙に遮られており、影響を受けたかどうかは明白ではない。
原題:Satellite Shots of Smoke at Saudi Oil Sites Keep Traders on Edge(抜粋)
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