(ブルームバーグ):米10年債利回りの見通しは、米金融機関ステート・ストリートの資産運用部門で現在最も活発に議論されているテーマだ。同利回りはベッセント財務長官が主要な政策目標として重視する金融指標。
ステート・ストリートのロリ・ハイネル最高投資責任者(CIO)は先週のインタビューで、「率直に言って自分でも理解が追い付かないことがある」とし、「これが社内で最も大きな議論になっている問題だ」と述べた。
同社は2026年初めの時点では、10年債利回りが今年3.5%に向かって低下する、あるいはそれより低い水準になると予想していた。しかし実際には上昇基調となり、先週にはトランプ政権2期目の開始後初めて4.7%を上回った。イラン戦争による原油価格の上昇と、それに伴うインフレ懸念の高まりが、景気見通しを大きく変えたことを示している。
一方、AIブームにも支えられて、戦争が続いている中でも米経済は底堅さを維持している。
ハイネル氏はイラン戦争について、「私が最も驚いているのは、米国内で起きていることに、戦争がほとんど影響を及ぼしていないことだ」と発言。
10年債利回りは「依然としてやや上振れのリスクがある」としつつ、現行水準は投資妙味があると述べた。「当社の最新の戦術的な資産配分見直しでは、長期債やクレジット資産の比率を引き上げた」と説明した。

ハイネル氏によると、ステート・ストリートは、米連邦準備制度理事会(FRB)が年内に利下げを実施するとの予想を1カ月半ほど前に撤回した。同氏は2024年には、FRBが通常より大きい0.5ポイントの利下げで金融緩和を開始すると正確に予想していた。
現在はFRBが2026年を通じて政策金利を据え置き、利下げは実施しないとみている。一方で、債券市場は9月までの米利上げを完全に織り込み、今週の連邦公開市場委員会(FOMC)会合での利上げ確率も約35%とみている。

ハイネル氏は「次の一手は利上げではなく、利下げになると引き続き考えている」と発言。
米経済は今後やや減速し、インフレも鈍化する可能性が高いとの見方を維持しているとし、FRBは2027年の早い時期に利下げを行う可能性があると指摘した。
「そのため、リスクリワードは引き続き、利回りが現在の水準から緩やかに低下する方向にあると考えている」と語った。
ブルームバーグがエコノミストやストラテジストを対象に今月実施した調査によると、2027年1-3月(第1四半期)の10年債利回りの予想中央値は4.39%。27日は、中東での緊張緩和のシグナルを受けて原油相場が下落したことから、4.7%を割り込んでいる。
ベッセント長官は昨年の就任後間もなく、米10年債利回りを最も重視する金融指標に位置付けた。住宅ローン金利や企業の借り入れなどの金利の指標となり、経済全体への影響が大きいことを理由に挙げた。
ベッセント氏は6月にも債券市場の影響力について話した。FRBがインフレを抑制して利回り急上昇を防ぐことの重要性に言及した。
ニューヨーク・エコノミック・クラブでは、「債券市場はりゅう弾砲以上に多くの政権を倒してきた」と語った。
原題:Biggest State Street Debate Is Where Bessent Bond Gauge Goes (1)(抜粋)
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