開かれた未来への願い
この戦争がもたらす最大の懸念は、世界の核不拡散体制への悪影響です。イランは過去20年間、国際原子力機関(IAEA)の監視を受けながら「開かれた核開発」を進め、爆弾を求めていないと証明しようとしてきましたが、結果として得られたのは制裁と戦争だけでした。
この経験から、イランの指導部は「インドやパキスタンのように、迅速かつ秘密裏に核爆弾そのものを目指すべきだった」と確信しつつあります。

これは他国にとっても最悪の見本となります。
アメリカの介入や主権侵害を恐れる国々が、ベネズエラやイランのような結末を避けるために「大量破壊兵器の保有こそが唯一の防衛手段である」と判断しかねない世界へと、私たちは足を踏み入れつつあるのです。
インタビューの最後、ナスル氏は、自身が著書に込めたイランの未来へのビジョンを静かに語りました。
「繁栄し、開かれた国を見たいということです。人々が幸せで、近隣諸国とも平和に共存している国を。イラン国民は47年間も経済戦争や全面戦争の中にあり、疲弊しています。
もっと何かできるはずだという強い思いを抱いています。祖国を愛する才能ある海外のイラン人たちが、疎遠になるのではなく、自然な形で共存でき、国内の人々も世界へ開かれること。その実現を願っています」

激動の中東情勢の中で誇りを失わず、巨大な軍事力に対峙し続けるイラン。
この「最終決戦」がどのような結末を迎えるかによって、イスラム共和国の未来だけでなく、世界の安全保障のルールそのものが塗り替えられようとしています。