「住居の広さ」に対する評価~広さを求める動きが強まる
「住居の専有面積」の回帰係数の符号は、分析期間を通じて、一貫してプラスとなっている。
これは、住居が広くなる(狭くなる)ほど、新築マンション価格(坪単価)が上昇(下落)することを意味する。
アベノミクス以降の価格上昇局面(フェーズIII)における回帰係数の推移をみると、2014年の+0.8%をピークにプラス幅が縮小傾向にあり、2021年には+0.3%まで低下した。
マンション価格が高騰するなか、広さの優先順位を下げることで購入金額を抑える傾向が強まったことが、要因として考えられる。
しかし、2022年以降、回帰係数は上昇傾向に転じている(2021年+0.3%⇒2025年+1.0%)。
東京では、「ハイブリッドワーク」が定着するなか、自宅で集中して業務を行うため、専用の作業スペースを確保する人も多い。
在宅勤務者を対象としたアンケート調査によれば、内装・間取りや設備に関する優先事項を尋ねたところ、「バス・トイレ別」(27.4%)に次いで、「部屋の広さ」(26.6%)との回答が多かった。
ハイブリッドワークの定着に伴い、住居に「広さ」を求める人が増えている。
また、建設資材の高騰や用地不足を背景に、一定の広さを持つ物件は、資産性の観点で希少性が高まっている可能性がある。
今後も「広さ」に対する価格評価が変化する可能性があり、引き続き注視が必要であろう。
