クレジットカードの決済代行を手がける「全東信」(大阪市中央区)が破産したことを受け、東和銀行や三十三フィナンシャルグループなどの地方銀行が相次いで損失計上を迫られる事態となった。

帝国データバンクの6日の発表によると、全東信は同日に大阪地裁に自己破産を申請し、破産手続き開始の決定を受けた。負債総額は2025年3月末時点で約1259億円に上り、今年最大規模の倒産となる。

群馬県前橋市に本店を置く東和銀行は7日、全東信に対する貸出債権は80億円あり、そのうち担保や引き当てなどで保全されていない約59億円について今期(2027年3月期)に全額引き当てなどの損失処理を実施すると発表した。発表を受けて同行の株価は同日午後の取引で下落に転じ、終値は前日比8.5%安の1401円だった。

三重県を地盤とする三十三銀行を傘下に持つ三十三フィナンシャルグループは貸出債権50億円のうち27億円について今期の第2四半期(7-9月期)に引き当て処理を行うと発表した。新潟県を中心に展開する大光銀行は貸出債権15億円の全額を、高知銀行は貸出債権12億円のうち9億1500万円、島根銀行は貸出債権8億円全額をそれぞれ第1四半期に引き当て処理する。

大光銀行と三十三FGは業績予想に変更はなく、他の3行はいずれも業績予想や影響などは精査中だとした。

全東信がホームページで主要取引銀行のうちの1行として挙げている山口銀行の広報担当者は、新たな与信費用の発生見込みはないとし、取引内容などの詳細についての回答は差し控えると述べた。

複数の金融庁関係者によると、同庁は信用金庫・信用組合を含めた各金融機関の全東信向けの貸し出しの実態を把握しており、健全性に大きな懸念はないとみているが、引き続き状況を注視しているという。

全東信のホームページなどによると、同社は06年の設立。飲食店を中心とした加盟店のカード売上代金を、カード会社に先行して早期に入金する「立替スキーム」を開発・提供し、手数料収入を得ていた。18年時点で加盟店は20万店舗を超えていた。

帝国データバンクによると、20年以降の新型コロナウイルス感染拡大の影響で加盟店である飲食店が時短・休業を余儀なくされたことで、手数料収入が減少し、2期連続で大幅な赤字を計上した。24年には加盟店契約を他人名義で結んだとして社員らが逮捕され、会社も書類送検された。信用不安の表面化で資金調達に支障を来し、事業継続を断念したという。

(見出しを差し替え、金融庁の動向など情報を追加して記事を更新します)

--取材協力:布施太郎.

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