株式市場は金利高が懸念される状況が続く
5月18日の米国株式市場は、イラン情勢の改善に向けた進展が見られず、グローバルに金利上昇圧力がかかっていることから、軟調な推移となった。トランプ大統領が19日に予定していたイラン攻撃を取りやめたとSNSで明らかにしたことが好感される局面もあったが、相場の押し上げにはつながらなかった。ダウ平均は前日から小幅に上昇したものの、ナスダック指数やS&P500指数は下落した。SOX指数もまとまった幅で続落し、4月から5月中旬まで続いた大幅上昇後の調整が続いている。
トランプ氏が利下げを求めないという議論は安心感と不安の双方を高める
調整のきっかけの一つとなった金利上昇については、トランプ大統領が18日に掲載された米経済誌フォーチュンのインタビューで、FRBに早期利下げを求めない考えを示唆したことが注目された。インフレ圧力が高まる状況において、FRBがビハインドザカーブに陥ってしまうという懸念は和らぎそうな動きである。もっとも、これまで頑なに利下げを要求してきたトランプ大統領がこのような発言をするということは、それだけイラン情勢の改善に苦戦しているということだろう。この発言が、原油価格の高止まりを示唆しているとすれば、債券市場が好感する材料とは言い難い。金利を低下させる決定的な手段は乏しく、株式市場は長期金利の高止まりを警戒せざるを得ない。
今後を展望すると、想定されるパスは2つである。1つ目は、24年と25年にそうだったように、雇用統計が悪化して利下げ観測が復活するパターンである。4月以降の株高を踏まえると、個人消費やGDP成長率が大きく悪化する可能性は低い。しかし、これまでも断続的に失業率が上昇してきたように、コスト高を不安視した企業が雇用を削減する可能性はあるだろう。むろん、景気が堅調であれば、失業率が継続的に上昇していく可能性は低いが、労働市場がタイト化していないという認識が広がれば、足元のインフレ圧力が賃金インフレに波及するといった不安が少なくなるため、金利低下要因となり得る。雇用統計が悪化した直後は株価が下落する可能性が高いものの、利下げ観測が強くなれば、年末にかけて株価は堅調に推移するだろう。
逆に言えば、雇用統計が悪化しなければ、金利上昇が止まる理由を見つけることが難しい。したがって、2つ目のパスは、株価が大きく調整するまで金利上昇が続くというものである。この場合、米長期金利は5%を超える可能性があるだろう。