2025年の世界経済において、公的債務の動向は改善せず、中東での紛争勃発が新たな財政圧力となっている。

こうした中、G7諸国においても、高水準の債務、金利上昇に伴う利払い負担の増加、そして高齢化や防衛費といった構造的な支出増という共通の課題に直面しているが、IMFが先月公表したフィスカルモニターからは、その状況や対応は国ごとに大きく異なることがわかる。

そこで本稿では、今回公表されたフィスカルモニターにおけるG7財政見通しを国際比較する。

巨額の赤字が続く米国

G7諸国を含む先進経済国全体では、2025年の財政赤字は対GDP比で概ね横ばいの2.4%(米国を除く)だったが、公的債務残高はパンデミック前の水準を依然として上回っている。

こうした中、非常に厳しい見通しとなっているのが米国である。

完全雇用に近い状態でありながら、対GDP比7~8%という巨額の財政赤字を抱えており、具体的な財政再建計画も示されていないとIMFは指摘している。

そして、公的債務残高は2025年の124%から、2031年までに142%に達すると予測されている。

対して日本は、インフレ率の上昇と堅調な税収に支えられ、債務ダイナミクスには改善が見られるとしている。

そして、債務比率は2031年までに10~14ポイント低下する見込みとなっている。

続いて欧州を見ると、英国は財政赤字がGDP比で12.9%(2020年)から2025年に5.4%まで縮小し、顕著な改善を記録したと指摘している。

そして、これは増税やエネルギー支援策の終了によるものとのことである。

一方のドイツでは、従来の保守的な財政姿勢から転換し、公共投資や防衛費を賄うための財政ルール改革により、債務残高のGDP比は2025年の63%から2031年には約74%に上昇する見通しとなっている。