女性、高齢者中心に増加する就業者
人口減少と高齢化が同時に進むもとで就業者数は減少が不可避とされていたが、実際には想定を上回るペースで増加が続いている。
厚生労働省の雇用政策研究会が2014年に公表した報告書では、2020年の就業者数は楽観的な見通し(経済成長と労働市場への参加が適切に進むケース)でも6290万人とされていた。
しかし、実際には新型コロナウイルス感染症の影響で8年ぶりに前年よりも減少したにもかかわらず、2020年の就業者数は6710万人となり、2014年当時の楽観的な見通しを420万人上回った。
また、2019年の報告書では、近年の就業者数の上振れを反映し、就業者数の水準は上方修正したが、先行きについては楽観的な見通しでも減少傾向が続くとされていた。
しかし、2025年の就業者数の実績値は6828万人となり、見通しの6490万人を338万人上回った。

就業者増加の主役は女性と高齢者である。就業者数は2000年~2025年の25年間で382万人増加したが、女性の就業者数が498万人増加する一方、男性の就業者数は▲115万減少した。
年齢別には64歳以下の男性が▲356万人減、65歳以上の男性が241万人増、64歳以下の女性が278万人増、65歳以上の女性が219万人増となっている。
女性については、就業者数の大幅な増加が続くもとで、その中身にも変化がみられる。
かつては女性の就業増の大半が非正規雇用の拡大によるものだったが、近年は正規雇用が非正規雇用を上回るペースで増加している。

女性の正規雇用比率は1980年代半ばの60%台からほぼ一貫して低下してきたが、2018年の43.9%を底に7年連続で上昇し、2025年には48.0%となった。
女性の就業継続志向の高まりに加えて、人手不足の深刻化に伴い企業が人材確保のため非正規から正規への転換を進めていること、非正規雇用の正社員への転換促進策など政府による後押しが女性の正規雇用の拡大につながっている。
女性の就業者数が増加している一因として、子供を持つ女性の就業率が大幅に上昇していることが挙げられる。
近年、子供のいる世帯の女性の就業率は上昇傾向が続いており、特に末子の年齢が0~3歳の女性の就業率は2013年の44.7%から2025年には74.3%へと急上昇している。
保育サービスの拡充、男性も含めた育児休業制度の充実、テレワークやフレックスタイム制など働き方の柔軟化がこの背景にあると考えられる。
