(ブルームバーグ):ふくおかフィナンシャルグループ(FG)は、市場部門を成長分野の1つと位置付け、積極的な人員体制の強化に乗り出した。中期経営計画の期間である2028年3月期までの3年間で30人程度を中途採用する方針で、関連人員の倍増を図る。
同部門を担当する工藤章執行役員がブルームバーグとのインタビューで明らかにした。
オルタナティブ(代替)投資分野などで専門人材の拡充を図る。すでに過去1年間で銀行や生命保険会社、資産運用会社から約10人を採用した。総資産で地銀グループ最大手の同社は福岡銀行や熊本銀行、長崎県の十八親和銀行を含む傘下銀行の市場運用を一体化しており、他の地銀グループにはない特徴を持つ。
市場部門は東京と福岡の2拠点で業務を手掛ける。主に東京を拠点に投資の企画や取引執行を担うフロントと呼ばれる部署の人員について、内部からの異動も含め100人程度に増やす。中計開始前の50人程度からは倍増となる。
工藤氏は「力を入れているのはプライベートアセットを含むオルタナティブ投資」と説明。「多様なスキルとバックグラウンドを有する中途採用者が約3割を占める構成を目指す」として「絶賛募集中」と人材確保に強い意欲を示した。報酬については前職での処遇なども考慮して「柔軟に対応できる」と説明した。
プライベートアセットは取引所などの公開市場での取引が行われていない資産。上場市場の価格変動の影響を受けにくい一方、流動性が低く、運用力やリスク管理の差が収益を左右しやすい分野だ。ふくおかFGは市場部門の大幅な人員拡充により、地盤である九州での顧客支援という本業を支える収益基盤の拡大につなげる。
プライベートアセットの1つである米国のプライベートクレジット市場では、足元で融資の質への懸念などから個人向けファンドで解約請求が急増している。工藤氏は一部で淘汰(とうた)が進むことはあり得るとしながらも、長期的に見た必要性は変わらないとして投資を行う方針を示した。
国債投資は最大5兆円規模に拡大も
ふくおかFGの有価証券残高は昨年12月末で約5兆8000億円と地銀グループでは最大規模だ。このうち約2兆5000億円が国債。金利が上昇局面にある中、積み増しの機会を狙っている。
国債保有を大きく圧縮してきた経緯もあり、「どこかのタイミングで復元に取り掛かりたい」と語った。金利リスクが一定量となる規模の国債をコンスタントに買っていく「ラダーポートフォリオ」を維持するのが基本とした。回復後の国債残高は、金利リスク量にもよるが、最大で4兆円から5兆円と現状の2倍近い規模になるとの見方を示した。
工藤氏は今月にも日本銀行が追加利上げを実施すると予想するが、その後は3カ月ごと、もしくは長くとも半年ごとに物価上昇に対して適切な追加利上げを進めた場合、利上げの最終到達点(ターミナルレート)は1.25-1.5%程度に収まるとみている。
その際の長期金利は2.5%程度を見込む。政府の財政政策や日銀の利上げが遅れることによるインフレの悪化(ビハインド・ザ・カーブ)について、市場の懸念がないことが前提とした。
現在の利上げ局面では、固定金利と変動金利を交換するアセットスワップを使って保有国債を変動金利化したり、短期金融市場での運用によって金利リスク量を抑制したりしている。2年債や5年債などの短い年限の国債については、将来的に預金などの調達金利がさらに上がった場合、逆ざやになる可能性もあるとして現在は投資していないと述べた。
工藤氏は「地域で圧倒的なシェア、営業基盤を持つ強みとして、金利感応度が低い預金という調達がある。これをしっかり収益化するという意味で、一定規模の債券ポートフォリオを維持していくのは必要だ」と語った。
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