おわりに

これまで議決権行使助言会社への規制に関する日米の動向をみてきた。

SEC規則が改訂された2020年頃までは日米の間で大きな差異はなかったように感じられる。

議決権行使助言会社と対象企業のコミュニケーションを強化することで、事実誤認などに基づく不適正な助言を排除することに主眼が置かれており、議決権行使助言会社の実務負荷へも配慮がなされていた。

だが2025年の米国では様相が異なる。第2次トランプ政権を支える、反DEI、反ESG、外国資本攻撃といった思想が前面に打ち出されている。

他方、日本の政治の主流がそのような思想に支配されているわけではない。

同じ議決権行使助言会社への規制であっても、もはや方向性が日米で分かれてしまったとみてよいと思われる。

(※情報提供、記事執筆:ニッセイ基礎研究所 保険研究部 主任研究員・気候変動リサーチセンター兼任 磯部 広貴 )

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