トランプ米大統領は3日、2027会計年度(26年10月-27年9月)予算案に関し、裁量的プログラムに総額2兆2000億ドル(約350兆円)を充てるよう議会に要請した。国防費の大幅な増額を図る一方、国内政府機関の予算は大きく削減するようあらためて訴えた。

国防費には1兆5000億ドルを要求した。2026会計年度で求めたのは1兆ドルだったので、大幅な積み増しとなる。国防総省向けの基礎的な裁量支出として1兆1000億ドル、義務的歳出として3500億ドルが含まれる。米国がイランとの戦争を遂行する中で、行政管理予算局(OMB)は今回の要求に上乗せされる形で、今会計年度向けに最大2000億ドルの国防総省追加予算案も引き続き検討している。

ホワイトハウスによれば、国防以外の裁量的支出は10%、額にして約730億ドル削減される見通しだ。

ボートOMB局長は予算案に関して、「トランプ大統領は危険な世界においてわが国の安全を確保するため、米国の安全保障インフラへの再投資を約束した」と説明。「2027会計年度の予算案はこの約束を実現するものであり、米国が引き続き世界で最も強力で有能な軍を維持することを確かなものにするだろう」と述べた。

国防総省向けの予算案は、単年度の増額幅が第2次大戦以降で最大となった。イラン戦争については、多くの米国民が十分に納得していないことが世論調査で示されており、今回の大幅引き上げはそうした中で示された。

今回の予算案は、トランプ氏の議会の盟友らを難しい立場に置くことになりそうだ。議会はトランプ氏が政権復帰初年度に求めた削減を完全には実現できなかった上、官僚機構削減を巡る強硬策に対する有権者の反発もあり、11月の重要な中間選挙を前に政策と優先順位を巡る激しい論争を招く見通しだ。

民主党のシューマー上院院内総務は声明で「トランプ氏の予算は根本から腐っており、民主党は決して成立させない。共和党がこの予算に同調するなら、映画『テルマ&ルイーズ』のシーンのようにトランプ氏の政治運命とともに崖から落ちることになる」と述べた。

トランプ氏が要求した裁量的支出の増額は、すでに大きい米国の年間財政赤字をさらに拡大させる可能性が高い。長年の慣行と異なり、今回の予算案には将来の赤字への影響に関する10年間の見通しが含まれておらず、年内に別途公表される見通し。これは、社会保障、メディケア(高齢者・障害者向け医療保険)、メディケイド(低所得者向け医療保険制度)といった将来の赤字の最大要因である給付支出が含まれていないことも一因だ。

ホワイトハウスの予算には、造船に658億ドル、ロッキードマーティン製F-35戦闘機85機の調達、兵士の給与引き上げも含まれる。

来年度の国防予算のうち3500億ドルは義務的支出を通じて実現する見通しで、防衛支出の一部を毎年の裁量予算から義務的支出へ移す試みを継続する。この手法により、上院で民主党によるフィリバスター(議事妨害)を回避できる財政調整措置を通じて予算案の議会通過を図る。

国内分野では、移民取り締まりに285億ドルの増額、司法省に47億ドルの追加、首都の美化事業に100億ドルを要求する。

しかし大半の国内機関は大幅削減の対象となる。内務省、住宅都市開発省、厚生省の3省はそれぞれ約13%の削減となる。教育省は2.9%削減され、予算案はこれを「廃止への道」と位置付けている。

原題:Trump $2.2 Trillion Budget Pairs Defense Boost, Agency Cuts (2)(抜粋)

(予算案の詳細や民主党上院院内総務の声明などを追加して更新します)

--取材協力:Adrienne Tong、Steven T. Dennis、Justin Sink、Reade Pickert、Cecile Daurat.

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