(ブルームバーグ):サッカーワールドカップ(W杯)北中米大会では、暑さに対する懸念から給水タイムが設けられている。米フォックス・コーポレーション傘下のFOXチャンネルは、その時間を活用して初めて広告を放映している。新たな広告枠が生まれる可能性がある一方で、視聴者の反発を招くリスクも指摘されている。
FOXは米国内で大会の英語放映権を保有する。大会初戦のメキシコ対南アフリカの試合で設けられた給水タイム中に、合計約2分間にわたり4本のCMを放映した。
給水タイムは試合開始から約25分後に設けられ、実況アナウンサーは米コカ・コーラのスポーツドリンク「パワーエイド(Powerade)」がスポンサーだと説明した。その後、通信会社AT&Tやホームセンター大手ロウズ、スポーツ賭博のファンデュエルやビールブランドのミケロブ・ウルトラのCMが放映された。
FOXはコメントを控えた。
一方で、米国内でW杯のスペイン語放映権は、米コムキャスト傘下のテレムンドが持つ。こちらは、給水タイム中に広告を流さない方針をアピールしている。給水タイムについては、試合の流れを妨げるほか、広告収入稼ぎの道具だとの批判も出ている。
テレムンドは同試合の中継でCMに切り替えず、給水する選手の映像とコカ・コーラのバナーを表示しながら、中継継続を支援したコカ・コーラに謝意を示した。
サッカーはバスケットボールやアメリカンフットボールと異なり、タイムアウトがなく試合が継続して進行する。そのため、広告を流せる中断時間は限られている。FOXが初戦と同じペースで給水タイム中のCM放映を続ければ、全104試合を通じて新たに800本超の広告枠が生まれる計算となる。1試合当たり約8本、前後半それぞれ約4本のCMが追加されることになる。
マーケティングコンサルティング会社エビクイティのマネジングディレクター、ミシェル・ハリソン氏は、給水タイムは広告主にとって新たな広告機会だが、視聴者の反発を招くリスクも伴うと指摘した。また、FOXでは初戦後半に給水タイムからの中継再開が遅れ、一部のプレーを視聴者が見逃す事態も起きたと述べた。
「新しい試みであり、熱心なサッカーファンの間で賛否が出るのも理解できる」とハリソン氏は語った。「やり方を誤れば、視聴者に煩わしさを感じさせる可能性がある」とも述べた。
国際サッカー連盟(FIFA)は放送局に対し、給水タイムについては試合再開の30秒以上前までに試合映像へ戻るよう求めている。
給水タイムを巡ってはソーシャルメディア上でも批判が広がり、その必要性を疑問視する声や、FOXの中継再開の遅れに不満を示す投稿が相次いだ。給水タイム自体はそれほど問題ではないものの、その時間にギャンブルやアルコール関連のCMを見せられることに不満を示す投稿もあった。
原題:Fox Risks Backlash With Ads During World Cup Water Breaks(抜粋)
--取材協力:Ira Boudway.もっと読むにはこちら bloomberg.com/jp
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