銀行数の過剰が指摘される日本で地方銀行の再編の波が広がり、株価の上昇を後押ししている。

最近はしずおかフィナンシャルグループと名古屋銀行が3月27日、持ち株会社方式による経営統合で合意。発表後、両社の株価はいずれも6%超上昇した。同26日には新潟県地盤の第四北越フィナンシャルグループと群馬銀行が経営統合することで最終合意したと発表している。

今後も再編が進むとの思惑も強まっており、CITIC CLSAがまとめた日本の地銀株指数は過去1年で74%上昇し、三菱UFJフィナンシャル・グループなど大手銀行を含む東証株価指数(TOPIX)の銀行業指数を上回るパフォーマンスとなっている。

SBI証券の鮫島豊喜シニアアナリストは、地銀は70行以上あり、統合が進んでいない地域などで今後の再編期待が株価に織り込まれているケースがあるとの見方を示す。

国際通貨基金(IMF)によると、日本では人口10万人当たり33の銀行支店があり、米国の26を上回る。これまで金融当局などからも地域金融機関の統合を求める声が繰り返し上がってきた。

投資家は2024年3月に日本銀行が利上げを開始して以降、銀行株に資金を振り向けてきた。金利の正常化で銀行の貸し出し利ざやが改善したためだ。今年はあいちフィナンシャルグループ株が60%超、大分銀行株が50%それぞれ上昇し、三井住友フィナンシャルグループやみずほフィナンシャルグループといった大手を大幅に上回っている。

足元では逆風も吹いている。中東戦争を背景とした原油価格の上昇がインフレ懸念を高め、国債利回りが上昇して保有債券の含み損が発生している。実際に損失を計上することになれば貸し出し能力に影響が及び、日本の地域経済にも打撃を与える可能性がある。

企業アドバイザリー会社のBCMGの創業者兼マネジングディレクターを務めるマティーン・チャウドリー氏は、融資先が偏っている地銀も多く、中東情勢がサプライチェーン(供給網)にどのような影響を与えるか、なお見極めが続いていると話す。

とはいえ、地銀に恩恵をもたらしてきた日銀の利上げ見通し自体は変わっていない。スワップ市場では4月の金融政策決定会合での利上げが約7割の確率で織り込まれている。追加利上げは利ざやのさらなる拡大を通じ、銀行セクターには一段の追い風となる見通しだ。

アルファ・ビンワニ・キャピタルの創業者アシュウィン・ビンワニ氏は、地銀はセクター全体をオーバーウエートとするより、合併候補やデュレーションリスクの低い銀行を見極めて選別することが必要になると述べた。

もっと読むにはこちら bloomberg.com/jp

©2026 Bloomberg L.P.