(ブルームバーグ):イングランド銀行(英中央銀行)は1日、金融機関による人工知能(AI)の利用拡大が金融安定を脅かす恐れがあると警告した。AIはプライベートクレジット市場にショックを引き起こし、広範に波及する可能性もあると指摘した。
イラン戦争開始後初の報告で、英中銀の金融政策委員会(FPC)は、戦争に伴い、世界経済に「相当な負の供給ショック」が生じ、「成長を圧迫しインフレを加速させるとともに金融環境を引き締める可能性がある」と指摘した。
英中銀は「この紛争で世界情勢は著しく予測困難となったが、それ以前の局面でもリスクは世界的に高まっていた」との見解を示し、最終的な影響は戦争の「期間、規模、および波及効果」に左右されると付け加えた。さらに、複数の脆弱(ぜいじゃく)性が「同時に顕在化する可能性がある」と警戒感も示した。
当局者は今回の評価で、英国の金融機関はこれまで、高度なAIによる潜在的リスクが利益を上回ると判断してきたものの、技術の進展に伴い、その見方は変わる可能性が高いと指摘した。「金融機関の間で高度なAIの導入拡大に向けた動きが強まる中、リスクは場合によっては急速に高まる可能性がある」とみている。
英中銀によると、リスクは特に決済や金融市場で顕著であり、高度なAIが詐欺などを十分に検知できない可能性や、市場が急激な調整に陥りやすくなる恐れがある。
また、AIは最近のプライベートクレジットからの資金流出とも関連付けられている。英中銀は、不安を強めた投資家による資金引き揚げの動きについて、「AIが引き起こしかねない混乱への警戒感」が原因だと指摘した。
英中銀は「これらのリテールファンドに端を発するストレスは、プライベートクレジットやプライベートエクイティ市場の他の分野、さらには相関する他の資産クラスにも波及する可能性がある」と述べ、借り換えや追加融資が困難になる可能性を指摘した。
原題:BOE Warns on Escalating Risks From AI, Fallout From Iran War
(抜粋)
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