高市早苗首相は1日午後、フランスのマクロン大統領と首脳会談を行った。事実上の封鎖が続いているホルムズ海峡での航行の安全確保は重要として、意思疎通していくことを確認した。高市氏が共同記者発表で明らかにした。

高市氏はイランを含む中東情勢について意見交換したと説明。「ホルムズ海峡における航行の安全の確保、重要物資の安定供給や事態の早期沈静化の重要性を確認し、引き続き緊密に意思疎通していくことで一致した」と述べた。

マクロン氏も「日仏は共に平和の回復と停戦、ホルムズ海峡の自由な航行を支持している」として、「両国は国際的な秩序と民主的な価値観を信じている」と語った。

マクロン仏大統領と高市早苗首相(1日)

米国とイスラエルによるイラン攻撃後、両首脳はトランプ米大統領が呼びかけた船舶護衛への参加は控えつつ、事態の沈静化を訴えてきた。イラン戦争の早期終結も模索するトランプ氏はホルムズ海峡を巡る問題の解決を他国に委ねる考えも示唆しており、日仏の対応も焦点となる。

ホルムズ海峡の事実上の封鎖で、日仏はいずれも打撃を受けている。日本は石油需要の9割以上を中東から調達。欧州も天然ガスを同地域に依存している。

ただ、日仏の当局者は、現在続く戦争が収束した後でのみ中東で果たし得る役割の拡大を考えられると強調。両首脳もこの日、イラン情勢の速やかな緊張緩和が必要だと声を合わせた。

日仏は19日には英など6カ国首脳によるホルムズ海峡に関する共同声明を発表している。イランによる非武装の商業船舶への攻撃や事実上の同海峡封鎖を「最も強い言葉」で非難した上で、安全な航行の確保に向けた貢献を行う用意があると表明した。その後、同声明への参加国は30日時点で35カ国に拡大した。

二国間協力

両首脳はさまざまな分野で二国間協力の推進を確認した。特にレアアース(希土類)など重要鉱物の分野では協力を進めるためのロードマップ(行程表)に署名。高市氏は同分野での輸出規制について「深刻な懸念を共有」したと述べた。

重要鉱物を巡っては、岩谷産業がフランス南西部ラックの拠点からリサイクルされたレアアースを調達する計画を進めるなど日仏間の協力が進められている。

このほか、両首脳は人工知能(AI)に関するハイレベル対話の立ち上げで一致。高市氏は原子力や宇宙分野でも協力を強化していく方針も示した。

防衛

1日午後には外務・防衛閣僚会合や、小泉進次郎防衛相とボトラン国防相による防衛相会談も行った。両氏は安全保障分野での協力を進めていくためのロードマップに署名。会談後の共同記者発表で、小泉氏は仏との連携について「地域における抑止力を強化する意味でもこれまで以上に重要性を増している」と述べた。

両国は水中無人機による次世代の機雷探知技術の開発にも取り組んでいる。中国の影響力が強まるインド太平洋地域において、勢力均衡を維持する点で共通の利害を有する。昨年9月には、仏領ニューカレドニアで合同軍事演習を実施した。

マクロン氏の訪日は23年5月の主要7カ国首脳会議(G7広島サミット)以来で4回目。同氏は2日に天皇皇后両陛下と会見した後、韓国に向け出発する予定だ。

(マクロン仏大統領の発言などを加えて更新します)

--取材協力:楽山麻理子、鈴木克依.

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