若者のソーシャルメディア依存を巡る米訴訟で、中毒性を持つよう設計された製品で若いユーザーに被害を与えたとして、メタ・プラットフォームズとアルファベット傘下グーグルの責任を認めた画期的な陪審評決が示された。

この判断は、ソーシャルネットワーキング企業を大手たばこメーカーや医療用麻薬オピオイドを販売した製薬会社と同列に位置付けかねない。プラットフォーム上で起きる事象に対する法的責任からの防壁に亀裂が入る可能性がある。

カリフォルニア州ロサンゼルスの陪審が20歳の原告に認めた損害賠償額は600万ドル(約9億5700万円)で、メタもグーグルも控訴する意向を示している。この金額自体は両社の財務にほとんど影響しないが、評決の影響はより大きく、定量化しにくい形で及ぶ可能性が高い。

メタやグーグルなどのソーシャルネットワークに対する数千件に及ぶ製造物責任訴訟のうち、運営側にとって初の敗訴で、こうした不名誉はしばしば政府による規制の強化につながる。

控訴で覆らない限り、両社は製品の仕組みを変更する必要に迫られ得る。これはインスタグラムやユーチューブといったプラットフォームの高収益を支える広告事業を危うくしかねない。

 「Can’t Look Away」はブルームバーグ・ニュースのオリビア・カービル氏による調査報道に基づくドキュメンタリー。マシュー・オニール、ペリ・ペルツ両氏が監督した

アクロン大学ロースクールのジェス・マイヤーズ助教は「製造物責任の時代になる」と指摘し、今週の評決は驚きではなく、オンラインでの情報アクセスの在り方にとって転換点になるかもしれないと語った。

「人々がテックに抱いている反感を非常によく反映している」とも述べ、人々は巨大テック企業について「コンテンツへのアクセスを提供する企業にとどまらず、民主主義の機能やより広い意味での人間社会に大きな影響を及ぼす存在」と見なしていると説明した。

コンテンツではなく中核機能

ソーシャルメディア企業は長年、ユーザー投稿による扇動的または有害なコンテンツに関する責任を免除する法律により、多くの法的リスクから守られてきた。今週の評決はこの構図を変えた。

今回の裁判で焦点となったのはメタのインスタグラムやグーグルのユーチューブ上のコンテンツではなく、製品の設計や中核機能だった。製品が変わらない限り、企業が引き続き訴えられる可能性が生まれた。

今回の裁判は、メタやグーグルのほか、スナップやTikTok(ティックトック)などを含むソーシャルメディア企業が直面する一連の同種訴訟の出発点に過ぎない。個人のユーザーによる被害の訴えが数千件、さらに製品が生徒に悪影響を与え教育を困難にしているとして、1000以上の学区が提訴している。

また約30州の州司法長官も訴えを起こしている。メタとの法廷闘争に臨んだニューメキシコ州は、民事制裁金3億7500万ドルを科す評決を今週勝ち取った。同社が性的搾取からの安全性について10代をミスリードしたと陪審が認定したためだ。

カリフォルニア州とニューメキシコ州の評決は、今後の展開を示す兆しとなる可能性がある。同様の訴訟で原告側の主任弁護士の一人であるレクシー・ハザム氏は「大きな勢いを生み出している。次の裁判に向けて追い風が吹いており、企業には大きな圧力がかかっている」と話した。

ハザム氏は6月に予定されている次の主要裁判で弁護団の一員となる。原告はケンタッキー州の学区だ。多くの裁判で証拠が類似または重複しているため、カリフォルニア、ニューメキシコ両州での陪審評決は心強い材料だとし、「その証拠がどれほど強力で、陪審にとってどれほど信頼性があるかが明らかになった」と述べた。

メタとグーグルは25日、ロサンゼルスでの評決に対し控訴すると表明した。メタの広報担当者は「10代のメンタルヘルスは極めて複雑で、単一のアプリに結び付けることはできない。すべての事案は異なるため、われわれは引き続き強く反論していく。オンラインでの10代の保護に関する当社の実績に自信を持っている」とするコメントを出した。

原題:Meta, Google Risk Big Tobacco-Like Fallout After Addiction Trial(抜粋)

--取材協力:Maia Spoto.

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