(ブルームバーグ):パキスタンが、米国とイスラエルによる対イラン戦争の終結に向けた協議を仲介する動きを強めている。事情に詳しい関係者によると、パキスタンの陸軍トップがトランプ米大統領と電話会談を行い、戦闘の終結に向けた解決策を模索している。
関係者によれば、ムニール元帥とトランプ氏との非公開の協議は23日に実施された。パキスタンの首都イスラマバードにおいて米イスラエルとイランとの協議を開催するよう、パキスタン側は働きかけているという。米国のウィトコフ特使が、協議においては重要な役割を果たしているとも、関係者は明かした。
トランプ氏は23日、イランとの間で「建設的な協議」が行われたことを受け、イランのエネルギー関連インフラへの攻撃を延期すると述べた。一方、イラン当局はこれまでのところ、いかなる交渉も行われていないと否定している。
CBSニュースは匿名のイラン外務省高官の話として、イラン当局が仲介者を通じて送られた米国からのメッセージを検討していると報じた。
パキスタン外務省のアンドラビ報道官は、コメントに応じなかった。
パキスタンは、トランプ氏との緊密な関係を築いてきており、隣国イランやサウジアラビアなど主要国との長年の関係も生かしている。シャリフ首相は23日、イランのペゼシュキアン大統領と電話会談を行い、イランとの連帯を表明するとともに、戦闘の緩和を呼びかけた。
「パキスタン指導部の外交的働きかけについて、イラン大統領と共有した。首相はパキスタンが地域の平和実現に向けて、建設的な役割を引き続き果たすとイラン側に保証した」と、首相府はX(旧ツイッター)に投稿した。
英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)は、ムニール氏が22日にトランプ氏と協議したと報じた。ニュースサイトのアクシオスは、仲介国がウィトコフ氏やトランプ氏の娘婿であるジャレッド・クシュナー氏、さらに場合によってはバンス副大統領も含めて、イスラマバードでの協議開催を模索していると、匿名のイスラエル当局者の話として伝えた。
戦闘激化に伴い、パキスタンは湾岸地域での外交関与を強めている。
今回の戦争によって、南アジアでは深刻なガス不足を引き起こすエネルギー危機が発生している。世界の原油および液化天然ガス(LNG)の約5分の1が通過するホルムズ海峡は、戦争が始まって以降ほぼ封鎖状態にある。パキスタンは原油、石油製品、LNGのほぼ全量を湾岸諸国から輸入している。
パキスタンのダール外相は先週、リヤドで開かれたアラブ・イスラム諸国の外相との合同会合に出席し、戦争への対応について協議した。事情に詳しい関係者によると、サウジアラビアやアラブ首長国連邦(UAE)などに対してイランが報復に出ていたことを受け、共同声明がイランと湾岸諸国の間で緊張をさらに高めることにならないよう、調整に注力したという。
ムニール氏はこの戦争を巡って、サウジアラビアとも複数回協議している。ムニール氏とシャリフ首相は3月12日にジッダを訪れ、ムハンマド皇太子と会談した。これは、シャリフ首相がイランのペゼシュキアン大統領と協議した翌日のことだった。ムニール氏は、3月上旬にはサウジの国防相とも会談している。サウジとパキスタンは昨年9月、防衛協定を締結し、いずれか一方への攻撃は双方への攻撃とみなすと定めている。
パキスタンは隣国アフガニスタンとの間でも戦闘を抱えており、越境攻撃はここ数週間で激化していたが、現在は一時停止している。
原題:Pakistan Seeks to Mediate Peace Talks With US, Iran in Islamabad(抜粋)
--取材協力:Josh Wingrove.
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