個人消費は物価高対策と原油高の綱引きか
トランプ政権誕生以降、シェール増産期待等により商品市況価格がそれまでと比較して低水準で決まりやすくなってきた。
加えて、OPECプラスによる協調減産の緩和も原油価格の抑制要因として作用してきた。また、中国を中心に需要の停滞が見込まれることで、世界の商品市況は安定が続いてきた。
しかし今後、中東情勢の緊迫化がさらに深刻なものになれば、世界の原油需給はひっ迫する可能性もある。従って、今後も原油先物価格が高水準で推移し、中長期的に見ても高止まる可能性は否定できない。
これは、日本のように原油をはじめとした資源の多くを海外に依存する国々とって、所得が資源国へ流出しやすい環境になることを意味する。
特に人口減少等により国内市場の拡大が見込みにくい我が国では、内需主導の景気回復は期待しがたく、所得の大幅な拡大も困難な状況が続く可能性が高い。
従って、資源の海外依存度が高い日本経済が資源価格上昇の悪影響を相対的に受けやすく、日本経済は構造的に苦境に立たされやすい環境にあるといえよう。
特にこれまでの個人消費に関しては、株価上昇に伴う資産効果や実質賃金のプラス転化期待などにより、消費者心理は改善傾向にあった。
しかし、今後の個人消費の動向を見通す上では、政府の物価高対策の効果もさることながら、原油価格の高騰といった負担増がタイムラグを伴って顕在化してくることには注意が必要であろう。
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(※情報提供、記事執筆:第一生命経済研究所 経済調査部 首席エコノミスト 永濱 利廣)