(ブルームバーグ):高市早苗政権の下で初となる日本銀行関連の人事が来週に迫っている。積極的な金融緩和などを主張するリフレ派を新たな審議委員に起用するかが焦点で、人選は今後の金融政策の行方を占う「リトマス紙」の役割を果たしそうだ。
事情に詳しい複数の関係者によると、政府は25日にも人事案を国会に提示し、3月31日に任期が切れる野口旭委員と、任期が6月29日までの中川順子委員の後任候補をまとめて示す方針。男女比は変えず、男性と女性が1人ずつになると見込まれるという。首相官邸が最終的に人選を判断する。
市場が注目するのは、2人の候補者がどの程度のリフレ志向を持つ人物かという点だ。1月のブルームバーグの調査では、日銀ウオッチャーの約6割が野口氏の後任は「強いリフレ派」になると予想している。2人の顔ぶれ次第では、利上げに慎重とされる高市首相の金融政策運営への考え方が際立つ結果となり得る。
リフレ派は利上げに慎重とされることから、植田和男総裁が進める金融政策の正常化路線に影響を与えることが想定される。新たな委員2人がリフレ派の場合、利上げペースの抑制に加え、為替や国債市場に影響が波及する可能性がある。
元審議委員の安達誠司氏は16日のインタビューで、「円安の進行や長期金利の上昇を本気で止めようと思うのであれば、リフレ派は登用しない方がいい」と述べた。
一方、日銀ウオッチャーの間では、リフレ派を起用しても大勢は変わらないとの見方もある。過去に2度、利上げに反対票を投じた緩和志向の野口氏の代わりに別のリフレ派が入っても、政策委員会全体のバランスはおおむね維持されるとの見立てだ。中川氏は、24年3月に日銀が大規模緩和を終了して以降の全ての利上げに賛成しており、委員会のコンセンサスに沿った行動を取ってきた。
金融政策を決める日銀の政策委員会は、執行部の正副総裁3人と審議委員6人の計9人で構成される。審議委員人事は国会の同意が必要で、衆参両院でそれぞれ過半数の賛成を得て議決される。予算などとは異なり衆院の優越はなく、参院で否決されれば人事案は認められない。
高市首相は18日夜の記者会見で、政府・日銀の連携を密にして十分な意思疎通を図るとした上で、日銀には「コストプッシュではなく賃金上昇を伴った2%の物価安定目標の持続的、安定的な実現に向けて適切な金融政策を行っていただくことを期待している」と述べた。
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