タイ下院総選挙の投票が8日、始まった。事前の世論調査の多くが支持の分散を示唆しており、三つどもえの争いによる政治停滞が再び起きる恐れがある。

解散総選挙と新憲法案への国民投票では、約5300万人が投票資格を持つ。選挙戦は、少数与党の保守政党「タイの誇り党」、革新系の「国民党」、ポピュリズム系の「タイ貢献党」による事実上の決戦とみられている。タイ貢献党は、単独過半数に届く政党がない場合のキャスチングボートを握るとされる。

投票は現地時間午後5時(日本時間同7時)に締め切られ、数時間以内に暫定結果が判明する見通し。

Photographer: Valeria Mongelli/Bloomberg

今回の選挙結果によってタイ経済の行方が左右されることになる。相次ぐ軍事クーデターや政治活動禁止、20年間で10人の首相が交代する不安定な政情を背景に、債務は膨らみ、労働力は減少している。タイの経済規模は現在、コロナ禍前を5%上回る水準にとどまり、経済成長率は年平均で約1%と、東南アジア諸国の後塵(こうじん)を拝している。

タイの誇り党のアヌティン首相は、倫理規定に違反したとして昨年8月に解職を命じられたペートンタン前首相の後任。解散総選挙と2017年に軍政下で制定された憲法の改正を問う国民投票の実施を条件に、国民党の支持を得て就任した経緯がある。

下院500議席に対し約60政党が争うが、単独政権樹立に必要な251議席を確保する政党は現れないとみられ、連立交渉の長期化は避けられない情勢だ。

原題:Thailand Votes as Three-Way Race Raises Risk of Political Drift(抜粋)

--取材協力:Cecilia Yap、Suttinee (Ying) Yuvejwattana.

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